各地青年団 災害時に協力 伊藤加奈子・日青協常任理事

2021年11月28日 07時53分
 全国各地で活動する青年団の全国組織「日本青年団協議会」(日青協、東京都新宿区)の常任理事で、仙台市の伊藤加奈子さんは「震災復興に取り組んだ若者たちの10年」と題して講演した。「震災の記憶を風化させない」をスローガンに、震災の教訓を共有し、防災や減災に生かす活動を実践してきた青年団の足跡を紹介した。
 青年団の団員数は全国で約三万人。統一された年齢の基準などはなく、それぞれの地域で自主的に運営している。震災当時、各地の青年団が現地の復旧支援や募金活動などに乗り出し、日青協が全国の仲間との橋渡し役を担ったという。
 伊藤さんは「能登半島地震や阪神淡路大震災が起きた時、全国の仲間が助けてくれたことが、世代を超えて連綿と青年団の中に受け継がれています」と語った。
 私たちは、震災から何を学んだのか−。あの日から三年、四年と経過するうち、そんな問いが生じたという。震災を生き抜いた仲間たちも「被災の現実を伝えたい」と口にしていた。
 日青協は、被災した青年の生活記録をまとめた冊子「生きる」を作製。冊子に加え、広く共有するためウェブサイト版を展開し、震災を振り返る二十二枚のパネルも用意した。
 「仲間を亡くした悔しさ、故郷の壊滅的な被害へのやり場のない気持ち。自分たちの体験をつづった背景には、複雑な思いがある」と伊藤さん。阪神淡路大震災の教訓が役立ったように、「今度は自分が発信しなければ」との責任感も背中を押しているという。
 日青協は、一九五一年の設立から今年で七十周年を迎えた。伊藤さんは「一人の青年として何ができるのかよりも、青年団の仲間や地域の方々とつながり、今後、未来に向けて歩きだせるのだと思う」と語った。

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