<立民代表選>衆院選落選者は何を感じ、何を望む? 山花郁夫氏、今井瑠々氏に聞く

2021年11月29日 06時00分
 30日投開票の立憲民主党代表選は、野党第1党を再生する道筋と、党の将来像を国民に示す機会だ。10月の衆院選で落選した候補は選挙で何を感じ、代表選に何を望むのか。国会の憲法論議で中心的役割を担った山花郁夫氏(54)=東京22区=と、政党候補者で全国最年少だった新人の今井瑠々るる氏(25)=岐阜5区=に聞いた。(聞き手・木谷孝洋)

山花郁夫氏

◆山花氏「訴求力ある政策を」

 ―代表選の意義は。
 「党が成長するチャンスだ。今までは枝野幸男前代表のイメージが強かったが、今後は立民としてのアイデンティティーを前面に出していかねばならない」
 ―立民のアイデンティティーとは。
 「立憲主義を重んじ権力を抑制的に使う考え方や、多様性や少数者を尊重する姿勢だ。党綱領で掲げた価値観を大事にするべきだ」
 ―論戦をどう見ている。
 「4人の主張には違いが見えづらいかもしれないが、むしろ積極的に評価していい。昨年9月の結党で集まったメンバーなので、方向性が同じなのは当然だ」
 ―衆院選で立民に足りなかった点は。
 「有権者の目を引く政策を打ち出せなかった。2009年の政権交代前の民主党は、子ども手当創設や高校の実質無償化、高速道路無料化などを言い続けていた。賛否は分かれても、訴求力のある政策を出していくべきだ」
 ―支持層のウイング拡大を訴える候補が多い。
 「意図的に広げるのは少し違う気がする。党の立ち位置は今のままでよく、個別の政策をうまく打ち出すことで、より幅広い層に支持を訴えていけばいい」
 ―この先の国会の憲法論議はどう動きそうか。
 「国民民主党が日本維新の会とともに積極姿勢を示すなど、議論の行方に懸念がある。今後の憲法審査会ではまず、改正国民投票法のテレビやインターネット上の広告規制の問題を議論する約束になっているが、守られるのか心配だ」

やまはな・いくお 1967年、東京都調布市生まれ。2000年の衆院選で初当選し、旧民主党政権では法務副大臣などを歴任。憲法に詳しく、党憲法調査会長や、衆院憲法審査会会長代理も務めた。

今井瑠々氏

◆今井氏「ボトムアップを大切に」

 ―今回の代表選をどうみている。
 「衆院選前は立憲民主党イコール枝野幸男(前代表)という印象が強く、それを良く思わない有権者もいたことが議席減につながった。一緒に新しい党をつくりたいと思えるリーダーを選んでほしい」
 ―問われるのは何か。
 「どんな政党なのかという原点に立ち返るべきだ。隠蔽いんぺいや改ざんなど、おかしいことはおかしいと声を上げ、従来の政治が受け皿になれなかった人々の声を受け止めることだ。ボトムアップで草の根の民主主義を大切にする党にできるかどうかが問われる」
 ―具体的には。
 「『先進性』という付加価値をつけていくべきだ。対決姿勢だけでなく、他党に先駆けてジェンダー平等などの具体的なアクションを起こしてほしい」
 ―代表選では各候補とも多様性を重視している。
 「執行部の半分を女性にしたり、衆院選の比例代表名簿で女性を上位にするなど、具体的な提案が出ているのは良い流れだ。女性活躍を掲げても行動が伴わない政党もある中、先陣を切って変えていける党だとアピールできる」
 ―「立民は批判ばかりだ」との指摘がある。
 「実際に国会で反対している法案は15%程度だ。ただ、そういう印象を持たれていることは反省し、反対の場合は理由をより丁寧に説明することが大事だ。森友・加計学園問題の追及に対し『なぜそんな昔のことを』と言う有権者もいた。伝え方にも工夫が必要だ」

いまい・るる 1996年、岐阜県多治見市生まれ。高校時代に東北の復興支援活動に携わる。大学卒業後、会社員を経て10月の衆院選に政党候補者としては最年少で立候補。「未来をつくる世代の声を政治に届けたい」と訴えた。

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