裁判員制度を身近に 高い辞退率受け、千葉地裁が法廷見学ツアーや座談会 候補者「選任」画面も初公開

2021年11月29日 07時35分

法廷内の裁判官席について案内役の裁判官(左)から説明を受けるツアーの参加者ら=千葉地裁で

 千葉県内で裁判員の辞退率の高さが課題となる中、市民らに制度を身近に感じてもらおうと、千葉地裁は裁判所の見学ツアーを開いた。希望した大学生や会社員ら9人が参加し、法廷や評議室など普段は見る機会が少ない各室を見学。法曹三者や裁判員経験者との座談会もあった。(加藤豊大)
 地裁などによると県内では、成田空港を利用した覚醒剤の密輸をはじめ、裁判員裁判の対象事件も多く、抽選で選ばれる裁判員候補者数は今年、二万三千四百人と全国で最多となった。一方、仕事などで参加が難しいなどの理由から、近年の辞退率は七割近くと高い。成人年齢引き下げに伴い、二〇二三年一月からは十八、十九歳も裁判員候補者となることも受け、広く制度へ理解を深めてもらおうとツアーを企画した。
 参加者らは、法廷のほか各部屋を見学。裁判員と裁判官が有罪か無罪かや量刑を話し合う評議室では、案内役の裁判官が「話し合いをスムーズに進める雰囲気をつくるため、評議の休憩中には全員で雑談することも多い」と語った。
 裁判員候補者の受付場所では、担当裁判を抽選するデジタルくじの模擬画面が、全国の地裁で初めて公開された。候補者名が列挙されたパソコン画面で、担当者が「選任」のボタンを押すと、裁判員と補充裁判員が瞬時に選ばれた。

担当裁判を抽選するデジタルくじの模擬画面が表示されたモニター。候補者から裁判員と補充裁判員を選ぶ

 座談会では、六人の裁判員経験者が「法律の知識は必要なく『一般の感覚はこうですよ』と裁判官と同じ立場で言える場だった」「担当した事件が気になり、高裁での控訴審の傍聴にも行った」などと説明。参加した教育関係の公務員の男性(43)=八千代市=は「模擬投票などで選挙への関心を高めているように、学校で裁判員裁判にも興味を持ってもらえるよう工夫したい」と話した。

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