熱海土石流「盛り土内に大量地下水」 副知事、工法の問題指摘

2021年11月29日 07時59分
 熱海市伊豆山(いずさん)で発生した土石流で、県の調査検証委員会は二十六日に開いた会合で、被害を甚大化させたとされる違法な盛り土の中に埋まっていた二つの川から、地下水が流れ込んでいた、と明らかにした。盛り土は安全対策が不十分な上、地下水など長雨の水がたまったことが、土石流につながった恐れがあると指摘した。(牧野新)
 委員会では、県が地質や湧水の調査結果を示した。県は盛り土が造成される前の一九六七年から、現在の現地写真などを精査。崩壊した盛り土が逢初川を埋めているほか、北側にある別の盛り土が鳴沢川を埋めていることを明らかにした。鳴沢川は、埋められる前から崩壊した盛り土方面への地下水の流れがあり、降雨から一定期間を置いて水が流入するという。
 七月一日から、土石流が発生した三日までの逢初川流域の総雨量は二千三百万リットル。鳴沢川からの水の流入もあり、県は「盛り土内に大量の地下水が供給されていた」と結論付けた。
 また、崩壊を免れた盛り土の三カ所でのボーリング調査で地質を確認。全地点で、コンクリート片やプラスチック片などの異物混入があった。土は指でつぶせるほど軟らかく、崩壊が起きやすい状態だった。
 難波喬司副知事は「(土石流は)排水がしっかりしていれば、起きなかった可能性が高い」と改めて工法が問題と言及した。報告書案のまとめは、来年一月下旬から三月に遅らせる。
 盛り土がされた土地は、神奈川県小田原市の不動産管理会社が二〇〇六年九月に取得し、〇七年三月に熱海市に造成を申請。申請内容と異なる森林伐採や搬入土砂に異物混入があり、県や熱海市が繰り返し指導していた。土地の所有者は一一年二月に代わった。
 県は行政手続きが適切だったかどうか、関わった県職員、元職員に聞き取りを進め、十二月に設置予定の第三者検証委員会で報告する。

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