「子に苦痛」体罰と定義 厚労省指針、4月から運用

2020年2月19日 02時00分
 四月施行の改正児童虐待防止法に盛り込まれた、親権者や里親らによる体罰禁止規定に関し、厚生労働省の有識者検討会は十八日、どんな行為が体罰に当たるかを示した指針をまとめた。子どもへ身体の苦痛や不快感を与える行為を体罰と初めて定義。具体例で「頬をたたく」「夕飯を与えない」などの類型を挙げた。四月から運用を始める。
 指針は体罰としつけとの違いを明確にした。各地で相次いだ虐待事案で、しつけ名目で暴力が正当化されていたことを踏まえた。子育てを社会全体で支援するのが目的で、保護者を罰したり追い込んだりすることは意図しないとしている。
 体罰の具体例としては(1)注意したが言うことを聞かないので頬をたたく(2)いたずらしたので長時間正座させる(3)友達を殴ってけがをさせたので同じように殴る(4)物を盗んだのでお尻をたたく(5)宿題をしなかったので夕飯を与えない-と五例を列挙している。
 体罰をさせないためには、自治体や児童相談所と連携して子育て支援をする必要性も挙げた。暴言については、体罰ではないが成長や発達に悪影響を及ぼすと指摘。冗談でも「おまえなんか生まれてこなければよかった」などと言うことは子どもの権利を侵害し心を傷つける行為と強調した。
 一方、道に飛び出しそうな子どもの手をつかんだり、他の子どもに暴力を振るうのを止めたりするのは、体罰に当たらないとした。
 厚労省のホームページに指針を掲載するほか、各自治体で母子手帳と共に配布するなど周知する。同省は昨年十二月に素案を出し、パブリックコメント(意見公募)を実施した。六十三件の意見があり、中には「親が責任を持って罰するのはどこが悪いのか」など体罰禁止に反対する声も含まれていた。
 二〇一八年三月に東京都目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん=当時(5つ)=が死亡するなど虐待事件が相次いだことを受け、昨年六月に児童虐待防止法と児童福祉法が改正された。

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