ふじみ野で「支え愛」10周年 ボランティア派遣 市内で記念式典

2021年11月30日 07時34分

10周年記念式典には事業スタートにボランティアとして参加し、今は利用者になった人も参加した=ふじみ野市で

 ふじみ野市の地域支え合い事業を担う「ふじみ野市支え愛センター」の設立10周年記念式典が同市の市民交流プラザ・フクトピアで開かれた。助け合いの精神で地域の安心・安全な生活を支え、新たな活動にも取り組んでいる。(中里宏)
 センターは二〇一〇年十一月に事業を開始した。主に高齢者からの買い物代行や部屋掃除、病院への付き添い、電球交換などの依頼に対し、一時間三百円の利用料で有償ボランティアを派遣している。
 当時、県が推奨していた地域支え合い事業のモデルケースの利用料は一時間八百円で、有償ボランティアが五百円を受け取る仕組みだった。しかし、事業を運営するNPO法人「ふじみ野明るい社会づくりの会」の北沢紀史夫代表理事は「年金暮らしのお年寄りが払えるのは三百円ぐらい」と考えた。事業が成り立つのか不安視する県や市の担当者を押し切り、利用料を一時間三百円に抑え、ボランティアが一時間で二百五十円分の商品券を受け取る仕組みでスタートした。
 結果的に低料金が功を奏した。県内の地域支え合い事業のうち利用時間トップに躍り出て、コロナ禍の前には年間二万九千時間超の利用を記録。延べ二十五万時間に達している。
 報酬が安く集まるか懸念されたボランティアは現在、七十人以上が登録している。退職後も「人の役に立ちたい」と希望する人が多いという。
 生活の手助けだけでなく、地域の大学の協力も受けて、世代間交流のイベントを開いて一人暮らしの高齢者らの介護予防を図るなど、活動内容も広げている。
 コロナ禍で一年遅れとなった式典で、高畑博市長は「三百円でボランティアが集まってくれるのか。これでやっていけるのか不安もあったが、当時集まってくれた多くの人の熱い思いを忘れることができない。市にとって欠かすことができない事業」とたたえた。
 北沢代表理事は「支えているつもりでしたが、多くの方々から支えられ、励まされている。これが本当の支え合いと思います」と述べた。

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