<社説>みずほFG処分 経営体質の大改革こそ

2021年11月30日 07時51分
 トラブルを起こし続けるみずほフィナンシャルグループ(FG)が金融庁から業務改善命令を受けた。これを受け経営陣も刷新されるが、問題の原因は企業風土そのものにある。経営体質を根本から変える大改革に取り組むべきだ。
 みずほFG傘下のみずほ銀行では今年二〜九月、現金自動預払機(ATM)の八割が停止するなどのシステム障害が八回起きた。この際、障害発生が経営陣に伝わるのが遅れ、多くの客がカードをのみ込まれたまま長時間待たされた。
 金融庁は九月下旬に今年一度目の業務改善命令を出した。だがその直後に海外送金で障害が発生し、外為法で定められた手続きも怠っていた。顧客軽視の姿勢と対応の杜撰(ずさん)さにはもはやあきれるしかない。
 経営陣の交代も来年四月だ。なぜ直ちにではないのか説明が必要だ。みずほ銀の後任頭取には現副頭取が昇格する。トラブルの責任は経営陣全員にある中、ナンバー2を起用する理由も知りたい。
 みずほは旧第一勧業銀、旧日本興業銀、旧富士銀が合併して発足。旧三行の力関係は伯仲しており、無用な派閥力学が生じて組織の運営に悪影響を与えたことは否定できないだろう。二〇〇二年と一一年にも大規模システム障害を起こしているが企業風土の悪さが生んだ人災といえるのではないか。
 今回、金融庁は処分理由を公表した。その中には「リスク管理態勢を整備していない」「システム運用の実態を把握しておらず、指示を行えない」など「ない」が二十個もあった。指摘通りなら、もはや企業統治機能はほぼ失われていると言わざるを得ない。
 金融機関は資金の融資だけでなく、国民の財産を安全に預かって運用するなど公共性が極めて高い。ましてやみずほを含む「メガバンク」と呼ばれる巨大銀行の動向は、経済全体にも影響を及ぼすほど大きく責任も重い。
 金融庁はみずほのシステムを事実上管理下に置いて指導しているが当然だ。監督官庁として徹底的に問題点を洗い出してほしい。
 今後、経営の立て直しのかぎを握るのは、元企業経営者や法曹界からの人材で構成する社外取締役だ。行内のしがらみにとらわれず、企業のあり方を根底から変える改革に指導力を発揮してほしい。その際、外部からの経営トップの起用も視野に入れるべきだろう。

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