「3回目接種の前倒し実施を」与党や知事から声上がる 政府は「現時点で変更予定ない」

2021年11月30日 21時00分
 国内でのオミクロン株感染者初確認を受け、与党や全国知事会から30日、ワクチンの3回目接種の前倒しを求める声が相次いだ。だが政府は「2回目から8カ月以上」の接種間隔を置く考えを変えていない。急ぎたくても、ワクチンの輸入や地方自治体の準備が追いつかなくなる懸念があるからだ。

◆「効果分かれば、対応を早めた方がいい」

 3回目接種は12月1日から、まずは医療従事者を対象に始まる。高齢者らは来年1月、基礎疾患などがない一般の人たちの多くは2月以降に開始予定だ。
 政府はこの日程に沿ってファイザー製とモデルナ製を輸入し、自治体に順次、配送していく計画。接種の前倒しは、クラスター(感染者集団)が発生した医療機関や高齢者施設の入院患者、利用者らを対象に例外的に認めているのみだ。
 自民党が30日に開いた対策本部では、オミクロン株の感染拡大を見据えて、「追加接種を進め、感染防止につなげるべきだ」と、日程の見直しを求める意見が続出。安倍・菅両政権でコロナ対策の担当閣僚を務めた西村康稔本部長は「オミクロン株が広がった場合にワクチンの効果があると分かれば、対応を早めた方がいい」と語った。
 これに対し、松野博一官房長官は、オミクロン株の国内初確認を発表した記者会見で「現時点で変更する予定はない」と語った。

◆ワクチン確保の状況「明確に説明を」

 政府は3回目接種に必要なワクチンを確保しているとする。輸入については、「ファイザーに前倒しを働きかけている」(堀内詔子ワクチン接種推進担当相)状態だ。11月までに自治体に配送したワクチンは約412万回分。2月までに約3700万回分の配送を予定するが、日程を見直した場合、接種の実務を担う自治体で混乱を招く懸念もある。
 30日に国との意見交換会を開いた全国知事会の平井伸治会長(鳥取県知事)は会合後の会見で、ワクチンの効果が時間とともに薄れることを踏まえ「早めの接種というのが本来あるべきだ」と指摘。「確保状況の制約について、政府として明確に説明してくれた方がわれわれも動きやすい」と注文を付けた。(柚木まり、曽田晋太郎)

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