立民、党再生へ道筋示せるか 「小さな声に寄り添う」泉新代表に問われる具体策

2021年12月1日 06時00分

立憲民主党の臨時党大会で気勢をあげる新代表に選出された泉健太氏(左から2人目)ら=30日、東京都港区のホテルで

 先の衆院選で失速した立憲民主党の再生は「小さな声に寄り添う」と訴えた47歳の泉健太新代表に託された。12日間にわたった代表選で、泉氏ら4候補が交わした論戦は、社会的弱者への支援を重視し、拡大した格差を分配優先により正していくという、立民の基本姿勢を浮かび上がらせた。野党第1党として、自民党に代わる政権の受け皿となっていくため、泉氏は支持拡大につながる具体的な道筋を示せるかが問われる。(井上峻輔、我那覇圭)

◆「改憲ありき」には慎重か

 「現場で困っている人の小さな声に寄り添いながら格差是正を目指す。国民の側から日本の経済を元気にする。こういう政党として再び立ち上がりたい」
 泉氏は決選投票前の演説で、ホームレス支援などに携わった自身の経験も交えつつ、目指すべき立民像を訴えた。
 泉氏以外の候補もこの日の演説で「新潟のコメ農家で生まれた」(西村智奈美元厚生労働副大臣)、「庶民の家庭で生まれ育った」(小川淳也元総務政務官)など、自身の生い立ちを紹介しながら庶民目線の党を目指す姿勢を強調。これまでの論戦でも、高所得者や大企業への課税強化といった税制見直しにより、財源を弱者支援に振り向ける訴えなどが共通していた。
 十月の衆院選で「分配なくして成長なし」を主張してきた立民。改憲ありきの憲法論議に慎重な立場など、枝野幸男前代表の時代から続く多様性や立憲主義を尊重した基本方針は、泉執行部にも引き継がれていく見通しだ。

◆「批判ばかり」脱却できるか

 党内には、従来の方向性そのものについて「(衆院選で敗北しても)目指す社会像や政策が否定されたわけではない」(西村氏)と受け止める一方、「何をやる党か国民に伝わっていなかった」(中堅議員)との反省もある。
 泉氏も代表選出後の記者会見で「常に自民と戦っている政党と思われ、国民に何を届けるかの説明、発信が弱くなっていた」と指摘。党の政策に対する理解を深めてもらい「共感する人を増やすことが重要だ」と語った。
 「立民は批判ばかり」とのイメージが衆院選の不振の一因とされ、躍進した日本維新の会や国民民主党が「政策提案」を強調する中、立民は何をどう訴えるのか。六日に始まる臨時国会での論戦のスタンスが、最初の試金石となる。

◆中道や穏健保守層に支持広げられるか

 政権交代を目指す野党になるには、党勢拡大も現実的な課題の一つ。泉氏はリベラル層だけでなく、中道や穏健保守層を取り込む必要性を訴えるが、具体的な道筋は見えていない。
 西村氏は「どう見られるかより、批判や誤解を受けても今やるべきことをやることが必要」と支持拡大ありきの方針には異論を唱える。泉氏は「垣根はなくなりつつある」と党内融和を強調するが、まだ旧国民民主党との合流から一年余。党内をまとめ、勢いを取り戻せるかは未知数だ。
 各候補が党勢浮揚策として挙げた「どぶ板活動」(逢坂誠二元首相補佐官)や「地方組織の強化」(西村氏)など、地道な取り組みも重要だ。泉氏は、来夏の参院選までに結果を出す重い責務を背負った。

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