「受け皿」となる野党の再生を急げ 政治部長・高山晶一 <立民新代表に泉健太氏>

2021年12月1日 06時00分
 「庭師の論理」という学説を以前、政治学者から聞いた。公園の手入れを任せている庭師にいいかげんな仕事が目立ってきたら、能力は同じでも別の庭師に交代させた方がいい。同様に、時の政権に問題が続いたら、野党に交代させた方が国民の利益になる―という、政権交代の意義を説く学説だったと記憶している。

立憲民主党の新代表に選出された泉健太氏(中央)。右は枝野幸男前代表、左は西村智奈美氏=東京都内で

 ここ9年ほど、庭師の交代要員は事実上不在だった。野党は結局、与党に代わって政権を託そうとまでは大多数の国民に思ってもらえなかった。そのことが政治から緊張感を奪い、公文書を改ざんしたり、法律の解釈を都合よく変えたり、国民の声を聴かずに新型コロナ対策や五輪開催を進めるといった国民不在の統治を許した。
 立憲民主党の代表選で問われたのも、与党に代わり得る野党第1党として再生する道筋をどう示すかという一点だった。論戦を通じ、弱い立場の人たちに寄り添い、富の分配による格差是正を優先し、多様性を重視する―といった理念は打ち出せた。目指す方向性を共有できた意義は大きい。
 大事なのは、この路線をぶれずに前に進め、政権の受け皿として国民から認知されるまでになること。野党第1党は政権を監視するだけでなく、自らも政権を担える実力を蓄えて緊張感をもたらす責任がある。民主主義が機能するために、野党の再生は急務だ。

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