「切石積」大正の砂防技術、健在 栗尾沢砂防施設群 土木遺産に認定

2021年12月1日 07時16分

1916(大正5)年に竣工した切石積が用いられた砂防堰堤=小鹿野町飯田で(県秩父県土整備事務所提供)

 小鹿野町飯田の「栗尾沢(くりおさわ)砂防施設群」が、本年度の土木学会選奨土木遺産に認定された。砂防事業の歴史や先人たちの高い技術力を現在に伝えている点などが評価された。
 同施設群は十基の堰堤(えんてい)からなり、最も古い施設は一九一六(大正五)年に竣工(しゅんこう)。一〇(明治四十三)年の台風に伴う大規模土砂災害対策として県内で最初に行われた砂防工事で、他の施設は三三(昭和八)年から三五(同十)年にかけ完成した。最も古い施設には当時の東日本では珍しかった「切石積(きりいしづみ)」の工法が用いられ、約百年たった今も大きな損傷なく地域の安全・安心を支えている。
 土木学会関東支部選考委員会の関口吉男委員が三十日、施設群を管理する県秩父県土整備事務所(秩父市下影森)を訪れ、認定書を川辺隆浩所長に贈った。川辺所長は「二年前の台風19号の際も大きな被害を防ぐことができた。今後も地域を守る土木を目指していく」と述べた。銘板も贈られ、現地に設置する予定。
 選奨土木遺産は二〇〇〇年に創設。竣工後五十年が経過した土木関連施設が対象で、本年度は全国で二十五件が選ばれた。県内では二〇年度に寺坂橋(本庄市若泉)も認定されている。(久間木聡)

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