「市民参加で高台移転、復興」 東日本大震災10年 被災自治体がシンポで現状報告

2021年12月1日 20時36分
津波発生時の被害の甚大さと復興状況を説明する岩手県田野畑村の佐々木靖村長(左)=1日、東京都千代田区で

津波発生時の被害の甚大さと復興状況を説明する岩手県田野畑村の佐々木靖村長(左)=1日、東京都千代田区で

 東日本大震災から10年がたった東北地方の復興状況を分析するシンポジウムが1日、東京都千代田区の全電通労働会館で開かれ、岩手県田野畑村の佐々木靖村長が「高台移転に向け、一人一人の意向を丁寧に確認していくことがコミュニティー維持につながる」と説明した。
 シンポは、甚大な被害を受けた自治体と支援した学識者が、現在の復興状況と今後の大規模災害の備えを協議するのが目的。漁港漁場漁村総合研究所が主催した。
 震災時、三陸海岸に面した同村は震度4の揺れだったが、25.5メートルの巨大津波に襲われ41人が死亡、行方不明となった。
 「二度と海の近くに住みたくないという人がほとんどだった」という佐々木村長は「漁業者から求められた海が見渡せる高台に移った結果、祭りも維持され、漁業の復興は順調に進んでいる」と強調した。
 同県宮古市の佐々木勝利水産課長は「市民が復興計画に加わってもらうことで、用地取得でも理解が得られやすかった」と市民参加の重要性を訴えた。
 学識者らからは「大災害後の復興にはマンパワーが絶対的に不足する。支援があった場合、効率的に行うための準備が必要だ」という意見も出た。(蒲敏哉)

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