性同一性障害、戸籍の性別変更「未成年の子がいない」が要件なのは「合憲」 最高裁が初判断 1人反対意見

2021年12月1日 21時09分
最高裁第3小法廷

最高裁第3小法廷

 戸籍の性別変更に「未成年の子がいないこと」を要件としている性同一性障害特例法の規定が、幸福追求権を保障する憲法に反するかが争われた家事審判の特別抗告審決定で、最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)は「合憲」との初判断を示した。裁判官5人中4人の多数意見で、宇賀克也裁判官は「違憲」とする反対意見を出した。11月30日付。(小沢慧一)
 2004年施行の特例法は、変更の要件として①20歳以上②結婚していない③子がいない④性別適合手術を受けている―などと規定。08年に改正され、③は「未成年の子」に緩和された。
 申立人は前妻との間に長女がおり、性別適合手術を受けている。「未成年の子がいるだけで性別変更を認めないのは、自己同一性を保持する権利を侵害する」と主張したが、神戸家裁尼崎支部と大阪高裁はいずれも請求を退けていた。
 最高裁は07年、改正前の規定を巡り、子のいる場合の性別変更は「家族秩序を混乱させ、子の福祉の観点からも問題を生じかねない」と判示。今回の多数意見はこれを踏襲した。
 一方、宇賀裁判官は、自己同一性を保つことを保障する必要性は「生来的な女性であれ、医療的措置で身体的に女性となった者であれ、基本的に変わらない」と指摘。緩和によって子が成年なら変更が認められたことから「親子関係に影響を及ぼしかねないという説明は、漠然とした観念的な懸念にとどまるのではないか」と述べた。
 申立人の代理人の仲岡しゅん弁護士は「(③のような)要件があるのは世界でも日本だけで間違った決定。一方で、10年前ならきっと反対意見すら出なかった。少しずつ環境は変わってきている」と話した。
 性別変更は昨年末までに、全国の家裁で計1万301件が認められている。

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