オミクロン株の水際対策、大丈夫? 入国制限に複数の「穴」 途中搭乗、「特段の事情」...<新型コロナ>

2021年12月2日 06時00分
 政府はオミクロン株による感染拡大の水際対策で、日本に到着する国際線の新規予約受け付けの停止を航空会社に要請するなど、徹底して国内流入の芽を摘む構えだ。だが、現行の取り組みには「穴」があり、市中への広がりを完全に抑え込むのは難しい。(柚木まり、曽田晋太郎、山口哲人)

◆1例目の外交官は第三国で乗り継ぎ

 政府は、外国人の新規入国を原則禁止したほか、海外にいる日本人も含め入国者の制限を強化している。それでも、既に帰国便を予約した日本人や、オミクロン株など変異株の感染状況が深刻な特定の国以外の定住外国人、特定国も含め「特段の事情」があると認められた人らは、引き続き入国できる状況だ。
 オミクロン株などが確認された指定国・地域から入国する場合は、決められた宿泊施設で3~10日間を過ごし、定期的にPCR検査を受けることが必要だ。自宅待機を含めれば、2週間は自由に外出できない。
 一方で第三国を経由して入国する場合は、対応が複雑になる。指定国に乗客全員が滞在したわけではないからだ。第三国で搭乗した人は、指定国から搭乗した人とたとえ隣同士でも、行動管理が緩やかな自宅待機を求められるのみ。空港検疫で乗客の陽性が判明した時も、濃厚接触者に認定されるのは、陽性者が座っていた席の前後2列までにすぎない。
 国内1例目のナミビア人外交官も、直行便ではなく第三国での乗り継ぎ便を利用していた。政府は全ての乗客を濃厚接触者として扱う異例の措置を講じたが、到着から2日後の決定だったため、厚生労働省の担当者は、感染者が市中に出ている可能性を「否定できない」と説明する。

◆「特段の事情」「真に必要」どこまで?

 「特段の事情」で入国が認められるのは、主に外交官や日本人配偶者のいる外国人が対象だ。「公益性があるとき」など幅広く解釈できる基準もあり、水際対策の抜け道になる可能性がある。
 自民党内からは「本当に厳しくしないと、全く意味がないという懸念が国民から出る」(佐藤正久外交部会長)と、詰めの甘さを指摘する声も上がる。松野博一官房長官は1日の記者会見で「真に必要があると認められるものに限る」と強調した。

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