<18歳成人 マネー学園>銀行編 (5)お札の話  

2021年12月2日 10時05分

◆万札 寿命は4〜5年

 まねお(以下、ま) パンケーキ5段重ねのチョコレートトッピングですね。1100円になります。
 金田先生(以下、金) おっ、バイトか。悪いが、1万円札しか持ち合わせがないんだ。
 ま はい、お先に8000円、残り900円のお返しです。もうレジ打ちもばっちり、現金の扱いなんて朝飯前さ。
 金 ほう。では現金はどこが発行しているか知っているか?
 ま 日本政府でしょ。
 金 フッ、まだまだだな。100円玉や10円玉といった硬貨は政府だが、1万円札や1000円札などの紙幣は日本銀行、略して「日銀」が発行している。先生が渡した1万円札の表を見てみなさい。左の方に「日本銀行券」と書いてある。
 ま 日銀って、普通の銀行とは違うの?
 金 「中央銀行」と呼ばれる存在で、独自の役割をたくさん持っている。例えば「銀行の銀行」としての役割。われわれが銀行に口座を持っているのと同じように、銀行などの金融機関は日銀に口座を持っていて、お金を預けたり、金融機関同士の決済に使ったりしている。政府も日銀に口座を持っていて、われわれの税金などを管理しているから「政府の銀行」とも言われる。また、世の中に出回るお金の量を調節して、物価、つまり物の値段が上がりすぎたり下がりすぎたりするのを防ぐ機能もある。
 ま お札の発行はどんな感じで進むの?
 金 独立行政法人の国立印刷局が製造して日銀に納め、金融機関が日銀から引き出すことでお札が「発行」される仕組みだ。個人や企業は、金融機関から引き出してお札を手に入れ、買い物などに使い、再び金融機関に預けたりする。そして、金融機関から持ち込まれた使用済みのお札を日銀がチェックし、古くて傷んだものは除かれて、トイレットペーパーにリサイクルされたりする。お札の寿命は1万円札が4〜5年、1000円札や5000円札は1〜2年ぐらいだ。
 ま 破れたり燃えたりしたら、もう使えないよね。
 金 セーフの場合もあるぞ。お札の表裏の両面があり、面積が3分の2以上残っていれば新しいお札に交換できる。5分の2以上、3分の2未満なら半額のお金に引き換えてもらえる。日銀や金融機関の窓口で相談するといい。
 ま 助かるね。
 金 日銀は、持ち込まれたお札に偽札が交じっていないかどうかもチェックする。もっとも、光に透かすと絵が浮かぶ「すき入れ」や、角度を変えると見え方が変わる「ホログラム」など、高度な偽造防止の技術が使われているから、日本は偽札がとても少ないんだ。
 ま 先生から受け取った1万円札、偽札かどうかは確認していなかったから安心したよ。
 金 相変わらず失敬だな。
(河郷丈史、協力・一般社団法人ウーマンライフパートナー)
 =次回は16日に掲載します

<うんちく>表面の肖像 偽造を防止

 お札の表面には、なぜ人の肖像が印刷されているのか。日銀のホームページによると、理由の一つは偽造防止。人の顔は誰もが見慣れ、わずかな違いにも気付きやすいからだという。
 現在のお札の顔は、1万円札が思想家の福沢諭吉、5000円札が小説家の樋口一葉、1000円札が細菌学者の野口英世。肖像は2024年から変更され、1万円札は日本資本主義の父と呼ばれ、NHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公にもなっている渋沢栄一に変わる。

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