改憲論議、立憲民主の対応焦点に 与野党から相次ぐ前のめりな発言

2021年12月3日 06時00分
 6日召集の臨時国会を前に、与野党から改憲論議を急ぐよう求める声が相次いでいる。衆院選で議席を増やした日本維新の会が議論の加速化を提起し、自民、公明両党も同調した形だ。立憲民主党の泉健太代表は改憲を前提とした議論には慎重な構えだが、「立民は反対ばかり」とのイメージからの脱却も掲げており、議論を求める圧力にどう対応するかが焦点となる。(木谷孝洋)

◆泉代表、期限区切った議論に警戒感

 泉氏は2日の記者会見で、改憲論議に関し「国民的な要請があるものは論点とする。論じるのは当然」と説明。一方で「改憲そのものが目的化の改憲や、法律でできることを無理やり改憲の課題とするのは論じるに値しない」と強調。改憲項目や期限を区切った議論に警戒感を示した。念頭にあるのは、衆院選後に与野党から相次ぐ改憲に前のめりな発言だ。
 維新の馬場伸幸共同代表は、立民と共産党を「(衆参両院の)憲法審査会開催を妨害してきた」と批判。憲法審を毎週開催するよう提案した。松井一郎代表は、来夏の参院選と同時に、改憲の可否を国民が判断する国民投票を実施すべきだと主張している。

◆自民、緊急事態条項を優先したい考え

 自民党の茂木敏充幹事長も憲法審で改憲に向けた議論を進める考えを表明。自民党は(1)9条への自衛隊明記(2)緊急事態条項の創設(3)参議院の合区解消(4)高等教育の無償化―の4項目の条文案をまとめており、新型コロナ対応を理由に緊急事態条項の議論を優先したい考えだ。
 公明党の北側一雄中央幹事会長は2日の記者会見で「憲法審の定例日はよほどの事情がない限りは開催し、憲法論議を進める」と述べた。国民民主党の玉木雄一郎代表も議論加速に理解を示す。
 一方、共産やれいわ新選組、社民党は慎重な立場だ。憲法審には与野党の合意を尊重しながら進める慣例があり、開催頻度は高くなかった。ただ、衆院選後は議論に前向きな維新と国民が衆参とも野党議席の3割を占め、野党第1党の立民は難しい対応を迫られる。

◆国民投票法の課題「抜きにできない」

 当面の議論の進め方への懸念もある。商業施設に共通投票所を設置することなどを盛り込んだ改正国民投票法が6月に成立した際、与野党はCMやインターネット広告の規制に関して「施行後3年をめどに必要な措置を講じる」ことを付則に盛り込み、改憲論議のみを先行させないことで合意している。
 泉氏は会見で「国民投票法の課題も抜きにはできない」と述べ、拙速な改憲論議に改めてくぎを刺した。

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