ファッションと能楽、融合 森英恵・コシノヒロコ・コシノジュンコ 3人デザインの衣装で26日公演 観世能楽堂

2021年12月3日 07時17分

森英恵デザインの「胡蝶の精」の衣装 

 森英恵(はなえ)、コシノヒロコ、コシノジュンコの世界的ファッションデザイナー3人がデザインした衣装を使用した能舞台が26日、東京・銀座の観世能楽堂で上演される。いずれも新作ではなく過去に披露された衣装だが、能楽堂で初の舞台演出もあり、2021年を締めくくる1日限りの華やかな公演となりそうだ。 (山岸利行)

森英恵デザインの衣装で演じる能「胡蝶」について話す坂口貴信

 ファッションデザイナーと能楽が融合する「第二十一回花の会 東京公演」。演目は、半能「胡蝶(こちょう) 蝶戯之舞(ちょうぎのまい)」、狂言「附子(ぶす)」、能「紅葉狩(もみじがり) 鬼揃(おにぞろえ)」だ。
 「胡蝶−」で、胡蝶の精を演じる観世流能楽師の坂口貴信(45)は森デザインの衣装で舞台に上がる。森の代表的なモチーフの蝶を大きくあしらった衣装は「能衣装と違ってドレス的で裾が長く、袖も手を広げた時に羽のように広がりがある」(坂口)ことが特徴で、袖を翻す動きの大変さや、後ろに下がる動きの際に衣装を踏まないようにする難しさがあるという。
 胡蝶が梅の花と出合った喜びを表して舞う演目。坂口は「分かりやすいので、(能は)敷居が高いと思われている人にも伝わるものがあると思う」とアピールする。通常は、胡蝶の精がシテ(主役)として一羽で登場するが、今回はツレ(シテの助演役)として蝶の精が二羽、計三羽が登場する初の演出。「僕が森先生の衣装を着て、ツレの二人は普段の胡蝶の姿。本来の衣装との対比ができます」と見どころを語る。

コシノジュンコデザインの「鬼神」の衣装

 「附子」は狂言師の野村萬斎、野村裕基がコシノヒロコがデザインした肩衣(かたぎぬ)を、「紅葉狩−」は観世流宗家の観世清和がコシノジュンコがデザインした鬼神の衣装を着用してつとめる。公演は特定非営利活動法人映像産業振興機構(VIPO)の「ARTS for the future!」(コロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動の充実支援事業)でもあり、コロナ禍で疲弊した舞台芸術の復活を目指す意味合いもある。
 午後一時半開演。出演はほかに森常好、一噌(いっそう)隆之ら。問い合わせは観世能楽堂=(電)03・6274・6579。

公演で着用予定のコシノヒロコがデザインした朝顔(左)、老松(右)模様の肩衣


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