オミクロン株「従来とは似て非なるウイルス」 東京医科歯科大の武内准教授が分析<新型コロナ>

2021年12月4日 06時00分
 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の確認が各国で相次いでいる。これまでの変異株との違いを東京医科歯科大の武内寛明准教授(ウイルス学)に聞くと、「従来とは似て非なるウイルスだ」との答えが返ってきた。
 オミクロン株の特徴は、ウイルスが人の細胞に感染するときの足掛かりになる「スパイクタンパク質」の変異が30以上もあることだ。武内氏は「デルタ株やアルファ株と共通する変異がある一方、共通しない変異も多数入っている。ヒトの細胞へのくっつきやすさに関わる領域内の変異は非常に多い」と分析する。
 武内氏によると、「こういった変異が入れば感染性に影響が出るのではないか」「ワクチンの免疫効果に影響を及ぼすのではないか」とシミュレーション解析で予測していた変異が、実際にオミクロン株で確認できたという。
 なぜ、「従来とは似て非なるウイルス」が発現したのか。武内氏は「ヒトからヒトへの感染を徐々に繰り返しながらこれだけ多くの変異が突然生じたとは考えにくい」と指摘。一つの仮説として、「免疫不全または免疫抑制状態の患者は、免疫がうまく働かずに体内の異物を排除できないことがある。新型コロナウイルスが、そのような患者の体内に長期間いたことで、多くの変異を獲得した可能性がある」と見立てる。
 一方で、武内氏は「まだ知見が十分にない。変異が入った場所やその数だけでは、病原性の高さや重症化のしやすさ、既存のワクチンがどれだけ有効かは計れない」と強調。「現時点で重要なのは、まだ正体がよく分からないウイルスを極力国内に入れないことだ」と語った。(池田悌一)

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