3回目ワクチン接種の前倒しできる? 東京23区と首都圏の政令市5市にアンケート調査

2021年12月4日 06時00分
 新型コロナウイルスの「オミクロン株」の国内への感染が懸念される中、一部の自治体からは3回目のワクチン接種の前倒しを求める声が上がる。本紙が東京23区と首都圏の政令市5市に尋ねたところ、横浜と千葉、台東、品川、世田谷、荒川、葛飾の7区市が前倒しを求める考えを示した。一方で、接種券の配送や会場の確保で混乱を招くなどと心配する声もあった。
 政府は3回目の接種時期を原則、2回目を終えてから8カ月以降としている。12月中は先行接種を受けていた医療従事者が対象で、来年1月以降、高齢者らにも順次拡大する方向。例外的にクラスターが発生した病院などで6カ月への短縮が可能だ。
 しかし、前倒しを求める世田谷区は「クラスターを発生させないようにするため、抗体が下がらない早い段階で追加接種をすべきだ」と指摘。同区と横浜市は、高齢者施設などを対象に前倒し接種を認めるよう政府に要望している。
 政府は前倒しに否定的だったが、世界的なオミクロン株の感染拡大を受け、態度を軟化。岸田文雄首相は2日、「(前倒しの)可能性は引き続き検討していく」との考えを示した。

◆接種券の発送、人や場所の確保「難しい」

 ただ、前倒しによる混乱を懸念する声も聞かれる。前倒しを求めないのは、さいたまと相模原、千代田、文京、杉並、練馬、足立の7区市。千代田区は「接種券を12月中に送付したり、打ち手の医療従事者を急に大量に確保したりするのは難しい」と明かす。接種会場の確保や、接種券の発送、予約システムの準備を「8カ月」で進めている区もある。
 「どちらでもない」などと回答した14区市のうち中央区、豊島区などは国から十分なワクチン供給が見通せないことから、「分からない」「回答できない」という。板橋区は「オミクロン株の情報が少なく、まだ判断できない」とした。
 また6区市が、ファイザー製の供給が1~2回目と比べて大幅に減ることを心配している。11月~来年2月の供給予定では、4100万回分のうちファイザーは6割で、4割はモデルナ製になる。

◆ファイザー製追加なければ「接種伸びない可能性」

 政府は1、2回目と異なる「交差接種」を3回目で認めているが、「多くの人は副反応などの懸念からファイザーを希望すると思う」と台東区の担当者。同区で7月までに2回接種をした人のうち、ファイザー製は86.6%、モデルナ製は13.4%。担当者は「交差接種の安全性、ワクチンの種類を選ぶと接種時期が遅れかねないことを、政府は丁寧に説明してほしい」と求めた。
 荒川区の担当者も「副反応への懸念などからモデルナ製を選択する人が少ない可能性がある。前倒しをした際、ファイザー製の追加供給がなければ接種数が伸びない可能性がある」と懸念している。

関連キーワード


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧