戦後デザイン運動の「熱い」軌跡 多摩の川崎市美術館「国際コミッティー」展覧会

2021年12月4日 07時28分

展示されているデザインコミッティーのメンバーによる選定会の写真。右から2人目が岡本太郎さん=いずれも多摩区の市岡本太郎美術館で

 戦後の復興が続いた一九五〇年代の東京で、日本のデザイン運動の先駆けとして創設された「国際デザインコミッティー」。建築家丹下健三さん、デザイナー剣持勇さん、画家岡本太郎さんら時代をリードする多彩なメンバーが顔をそろえていた。その交流と活動に焦点を当てた展覧会が、川崎市多摩区の市岡本太郎美術館で開催されている。国際交流やデザインの啓発を目的にアイデアを真正面からぶつけ合った、熱気あふれる当時の活動に触れることで、今の時代を生きる糧が見えてきそうだ。(安田栄治)

旧東京都庁舎に設置された岡本太郎さんの壁画「日の壁」の原寸大レプリカ

 展覧会は「戦後デザイン運動の原点 デザインコミッティーの人々とその軌跡」。絵画、写真、プロダクトデザイン、家具、建築模型など約二百二十点を、四つの章に分けて展示している。
 「デザインコミッティー創立」の章では、建築家、デザイナー、評論家、画家、写真家と異なるジャンルの顔ぶれがなぜ集まったのか、異分野の岡本さんらが参加した理由に迫った。それぞれの関係をひもとくことで時代の背景が見えてくる。

丹下健三さんの家で行われた会合で、くつろいだ表情を見せるメンバーの写真も展示されている

 「サロンとしてのコミッティー」の章では、個性豊かな創立メンバーの顔ぶれとその交流の「サロン」としての役割に注目。旧東京都庁舎など丹下さんの建築に岡本さんの壁画「日の壁」が取り入れられるなど異分野の協同を紹介している。写真家石元泰博さんの写真展「桂」(一九六六年)などを部分的に再現展示した章もある。
 当時、複数の百貨店で広まった「グッドデザインコーナー」の売り場に出品したメンバーの作品などを展示した章も。グッドデザイン運動は、コミッティーが「日本デザインコミッティー」と改称された現在も活発な活動が展開されている。担当者は「百貨店への出品はそうそうたるメンバーがけんか腰で選定していました。その熱気が少しでも伝わるように展示しています。当時の様子を追体験して、今を皆さんに考えてほしい」と話している。
 開催は来年一月十六日まで。開館時間は午前九時半〜午後五時(入館は同四時半まで)。休館日は月曜日(一月十日は除く)と十二月二十九日〜一月三日、十一日。観覧料は一般千円、高校・大学生、六十五歳以上は八百円、中学生以下は無料。問い合わせは、同美術館=電044(900)9898=へ。

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