「低投票率は民主主義の危機」 対策求める署名に2万人 茨城の獣医師が呼び掛け

2021年12月5日 06時00分
 先の衆院選小選挙区の投票率が戦後3番目に低い55.93%にとどまったことを受け、国会に国政選挙の投票率を上げる取り組みを求める活動がインターネット上の署名サイトで進んでいる。先月4日から1カ月間で署名は2万を突破。呼び掛け人の獣医師星野順彦ゆきひこさん(60)=茨城県常陸大宮市=から本紙に「選挙で自分の意思を示さなければ、政治家は世論を無視して国政を運営する。低投票率は民主主義の危機だ」との訴えが届いた。(我那覇圭)

◆「もっと関心持たねば」安保関連法で痛感

 サイトは「Change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」。来夏の参院選を見据え、署名集めを続けているが、今月中旬にいったん名簿を与野党に提出し、国会論戦を通じた対策を迫る考えだ。
 もともと政治との接点は薄かったという星野さん。しかし、違憲性が指摘される安全保障関連法が2015年に国会で強行採決される様子を目の当たりにして、自身を含む社会全体が国政にもっと関心を持たなければいけないと痛感した。

国政選の投票率アップを求めてインターネットで署名活動を進める星野順彦さん(本人提供)

 当時、山火事の際にハチドリがくちばしで1滴ずつ水を運んで消火を試みたという南米の寓話ぐうわを見聞きして「『私は私にできることをやるだけ』というメッセージに共感した」と語る。以来、ホームページを開設して自分なりの時事問題の解説を発信してきた。
 投票率に関しても、進学などで住民票のある故郷を離れた若者の政治参加を促すため、期日前投票や不在者投票を使いやすくするように提案。低投票率が続く中で「より具体的な行動に出なければ」と思い立って今回、初めての署名活動に乗り出した。

◆「対策を求めます」あえてシンプルな訴え

 賛同を増やすため、具体策には踏み込まずに「国政選挙の投票率を上げるための対策を国にもとめます」というシンプルな呼び掛けにした。
 与野党には名簿とは別に、サイトのコメント欄への書き込みを参考にした提言も届ける予定で、どんな方法が可能かを検討するよう促したい考え。星野さんは「そもそも投票率の向上に反対する政治家はいないはず。個人の力は弱いが、署名数が増えれば、政治を動かす力も大きくなるので協力をお願いしたい」と賛同を呼びかけている。
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