「弱者は生きていてはダメなんでしょうか」遺児保護者4人に1人が無収入 あしなが育英会、2年ぶり街頭募金再開へ

2021年12月4日 22時59分

「弱者は生きていてはダメなんでしょうか」と悲痛な叫び

 病気や災害などで親を亡くした子どもを支援する「あしなが育英会」は4日、同会の奨学金を受け取る高校生の保護者の19.5%がコロナ禍で離職や転職を経験し、27.6%が9月の収入がないと答えたとするアンケート結果を公表した。「就労者が減り、収入のない層が増えた。遺児家庭の生活は限界。今こそ支援が必要」として、2年ぶりとなる街頭募金を11~12日、全国12都市の14カ所で行う。

◆3年で1万500円下がった平均手取り

 アンケートは、長引くコロナ禍の影響を調べようと、10~11月に実施した。対象となる保護者約4000人に調査票を送り、約2640人(66.3%)が回答した。
 9月の就業率は73.8%で、前回調査した3年前より7.4ポイント低下。離職や転職を経験した人のうち半数近くが「勤務先の業績悪化や雇い止め」を理由に挙げ、雇い止め経験者の3割近くが回答時も失業中だった。
 就業者、未就業者含めて計算した保護者の平均手取りの月の収入は10万6485円で、3年前より1万500円下がった。就業者に限ると14万6730円だが、国が調査した一般労働者の平均月収(24万5000円)の約6割という。収入がないとの回答率は3年前より7.4ポイント増えた。

コロナ禍で厳しくなった生活を語る奨学生家庭の保護者ら=4日、東京都千代田区で

◆日常生活がやっとのところにコロナが…

 5年前に夫と死別し、大学生の長男と高校生の次男が奨学金を受け取っている東京都内の女性(47)は「コロナで仕事が減り年収が数十万円減った。学費、塾代、生活費で精いっぱい。学費にと取っておいたお金を少しずつ切り崩して生活している」と窮状を語った。
 2年前に体調を崩し、約20年間続けた英語教師の仕事を辞めざるを得なかった都内の女性(51)は、高校生2人が奨学金を受け取っている。「日常生活がやっとのところに、コロナが重なった。体調が回復するか分からず、希望が持てない」と訴えた。

アンケートには「助けて下さい。今のままでは自殺しかない」という記述も

◆「50年調査してきて、こんな言葉が出たのは初めて」

 玉井義臣会長は「母親から『弱者は生きていてはダメなんでしょうか』『助けて下さい。今のままでは自殺しかない』という回答があった。50年調査してきたが、こんな言葉が出たのは初めて」と話し、社会の支援を求めた。
 街頭募金は11日に東京都新宿区の新宿駅西口と金沢市の金沢駅前西口広場、12日に群馬県高崎市の高崎駅東口、名古屋市の名古屋駅桜通口と名古屋栄三越前、三重県四日市市の四日市駅北口前など10市の12カ所で行う。時間は午前10時~午後3時の間で、会場ごとに異なる。(加藤益丈)

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