「オミクロン株」国内で初確認 政府の水際対策が迷走

2021年12月5日 06時00分
新型コロナウイルス(NIAID提供)

新型コロナウイルス(NIAID提供)

<コロナ1週間・11月27日~12月3日>
 新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内でも確認された。政府の水際対策は一部で混乱。1日から始まった3回目のワクチン接種を巡っては、原則8カ月以上としている2回目からの接種間隔の前倒しを求める声が相次いだ。

◆2例ともワクチン2度接種済み

 オミクロン株が国内で初めて確認されたのは先月30日。同28日に成田空港に到着したナミビア外交官の男性が空港検疫で陽性と分かり、ゲノム解析でオミクロン株と判明した。
 今月1日にはペルーから入国した20代男性の感染も判明。2人はそれぞれ米モデルナ製、ファイザー製のワクチンを2回接種していた。ワクチンの感染予防効果は、デルタ株と比べると低い可能性がある。
 3日時点で、市中感染は確認されていない。松野博一官房長官は同日、「過去の全ての検体も改めて国立感染症研究所で確認した結果、2例以外検出されていない」と発表した。
 新規感染者の報告は11月以降、東京都は50人以下、神奈川と埼玉、千葉各県は30人以下の日が続く。千葉県は先月28日、新規感染者の報告がなかった。報告者ゼロは昨年6月21日以来。(小坂井文彦)

◆3回目接種開始、首相「前倒しの可能性検討」

 ワクチンの3回目接種の対象は18歳以上の全希望者で、1日から医療従事者を対象に始まった。高齢者は来年1月から。それ以外の人も含め、接種の本格化は2月以降の見通しだ。
 3回目接種の間隔は、原則2回目から8カ月以上で、クラスター(感染者集団)が発生した医療機関や高齢者施設の患者、利用者らを対象に例外的に「6カ月以上」も可能。
 これに対し、国内でのオミクロン株の感染者確認を受け、全国知事会や日本医師会、自民党などから前倒し要求が相次いでいる。岸田文雄首相は「前倒しの可能性は検討を続ける」と説明している。
 ただ、ワクチンの輸入状況などから、3月以降は3回目用の都道府県への配送計画が未定。知事会からは、ワクチン確保状況を明確に説明するよう、政府に求める声が出ている。(曽田晋太郎)

◆国際線の予約停止、3日後に撤回

 オミクロン株の水際対策として、政府は11月30日から外国人の新規入国を禁止し、12月1日には1日当たりの入国者数の制限を5000人から3500人に引き下げた。
 国土交通省は11月29日、日本に到着する国際線の新規予約受け付けを12月末まで停止するよう国内外の航空会社に要請。しかし、年末の帰国を想定しつつも予約はしていなかった海外の日本人駐在員や出張者らから不満の声が相次ぎ、3日後の12月2日に要請を撤回した。
 一部航空会社は3日から予約受け付けを再開。国交省は「要請は航空局の独自判断だった」と釈明した。
 18歳以下への10万円相当の給付を巡り、現金とクーポンで配った場合の事務経費が、現金一括より967億円多い1200億円規模になることが判明。野党から批判の声が上がった。(池井戸聰)

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