<東京舞台さんぽ>「ちはやふる」の府中 主人公と幼なじみが住む町

2021年12月5日 07時03分

清水下小路

 競技かるたに青春を懸ける高校生を描く末次由紀さんの人気漫画「ちはやふる」。府中市は主要な舞台の一つで、主人公綾瀬千早と幼なじみの真島太一が住んでいるという設定の町だ。原作や実写版映画を振り返り、京王線分倍河原駅から歩いた。
 徒歩三分で市立片町文化センターへ。千早と太一が所属することになる、かるた会「府中白波会」の練習場だ。原作第一巻では恩師となる原田秀雄先生が、見学に来た千早と太一、福井県からの転校生綿谷新の三人を歓迎し、抱き締めるシーンが印象的だ。

府中白妙会の練習。指導に当たるのは前田秀彦さん(奥)=いずれも府中市で

 府中白波会は実在のかるた会「府中白妙会」が、原田先生は府中白妙会を設立した前田秀彦さん(69)がそれぞれモデル。前田さんに会いたいと思い、この日の同会の練習場「分梅町一丁目公会堂」を訪ねた。
 「素振り、かます!」。前田さんの指導の声が響く。同会所属の男性選手と女性選手の試合を見学した。静けさが漂う中、百人一首読み上げ機が「吹くからに」の「ふ」を読んだ瞬間、両者の手が動き、札が宙を飛んだ。
 前田さんは自身がモデルとなったことを「恥ずかしい」と笑いつつ「末次先生が私のかるたに対する熱い思いを酌みとってくださった」と喜ぶ。
 映画版のロケが行われたのは近くの「清水下小路」。試合で力尽きて眠ってしまった千早(広瀬すずさん)を太一(野村周平さん)がおぶって歩く。勾配は意外にきつく、太一の「これはなんの苦行だ…」というせりふに妙に納得させられる。
 旧国鉄路線の跡地を整備した「下河原緑道」を進むと、千早と太一が部活後に一緒に帰るシーンの撮影スポットが現れた。千早は「太一。ありがと…かるたを好きでいてくれて。それがいっちばんうれしい」と告げる。太一は新から託された電話番号の紙を千早に渡せず、別れる。そこに登場する分かれ道は切ない恋心を思い起こさせる。
【メモ】 府中市のシンボル「馬場大門のケヤキ並木」などには末次さん描き下ろしのデザインマンホールがある。
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