<各駅停車>埼玉と沖縄

2021年12月5日 07時25分
 十月の終わり、訳あって沖縄・宮古島を訪れた。衆院選の喧噪(けんそう)をよそに、のどかな時間が流れる。地元の新聞をぼうっと眺めていると、小さな見出しが目にとまった。「川口市、北本市と交流を」。地元議員が行政に対し、両市との関係強化を求めたと報じていた。
 記事によると、川口市の花であるテッポウユリは沖縄の離島で買い付けた球根がルーツらしい。離島出身者の市議がいた北本市とは、それをきっかけに今も交流が続いているという。
 思わぬ縁を知った後で埼玉に戻り、沖縄で戦没者の遺骨収集を続ける具志堅隆松さん(67)の話を聞く機会があった。辺野古への米軍新基地建設で、遺骨が混じる恐れがある土砂を使う計画に「人道上許されない」と怒りを込めた。
 沖縄戦では千人を超える埼玉出身者も犠牲になった。具志堅さんがはるばる上京して訴えたかったのは「沖縄だけの問題ではない」ということ。遠くの海で何が起きているのか、よく目を凝らさなければならない。(近藤統義)

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