朝霞高校で講演会 川内優輝選手、人生の選択 「進路へ勇気もらえた」

2021年12月5日 07時25分

中学時代からの人生の選択について語った川内優輝選手=朝霞市の県立朝霞高校で

 元埼玉県庁職員でプロランナーの川内優輝さん(34)=あいおいニッセイ同和損害保険=が、人生の節目で直面した選択について語る講演会が朝霞市の県立朝霞高校で開かれ、約六百人の生徒が耳を傾けた。
 川内さんは春日部東高校一年の時、将来は公務員になって地域振興をしようと思っていたため、好きな歴史や地理ではなく、役立ちそうな政治経済の授業を選択。大学進学では「高校時代はけがで苦しんだ。楽しく走れる環境がいい」と駅伝強豪校ではなく、学習院大へ進学した。
 卒業後は実業団で陸上を続ける道もあったが、けがのリスクを考えてやめ、埼玉県庁に就職した。事務職員として配属された定時制高校では業務を効率化して定時で帰れるようにしたり、空いた時間で他の業務を手伝ったりして、週末に国内外のレースに出場する独自のスタイルを貫いた。
 陸上界の常識を覆す異端児とみられながらも、二〇一八年に格式の高い米ボストンマラソンで優勝するなど数々の実績を残した。一九年のプロ転身は「自己記録を更新して世界と戦うには、あと数年しか残っていない」と考えたから。公務員としての安定した立場を捨て、今年二月のびわ湖毎日マラソンで八年ぶりに自己記録を更新(2時間7分27秒)した。
 「金メダルか四位かの勝負をしなかった」ために三位でも悔いが残ったレースもあれば、結果は失敗でも「挑戦してよかった」と納得いくレースもあったという。生徒たちには「進学は環境をがらっと変えるチャンス。自分の可能性が広がる選択をしてほしい」とアドバイス。三年生の女子生徒は「進路で大きな選択を迎えるが、勇気をもらえた」と話した。(中里宏)

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