中村哲医師の命日 映画上映会 アフガンに希望 35年の軌跡 21年間取材の谷津監督「遺志継がれている」

2021年12月5日 07時43分

中村哲さん(右)の尽力でよみがえった緑を背に写真に納まる谷津賢二さん(上)(2019年4月撮影)=アフガニスタンで、谷津賢二さん提供

 アフガニスタンで医療や用水路建設、農業支援に尽くした非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表で医師の中村哲さんが凶弾に倒れてから四日で二年。中村さんを二十一年間取材してきた谷津賢二監督(60)による講演とドキュメンタリー「荒野に希望の灯をともす〜医師・中村哲 現地活動35年の軌跡」の上映会が同日、足利市で開かれた。(梅村武史)
 「自分ファーストでは生きていけない厳しい時代。善人も悪人も愛し、他者のために生きた中村医師から学ぶことは多い」と語り出した谷津さん。「遠いアフガンの地で中村医師が戦ったのは病、差別、格差、紛争。われわれ日本人にも身近に迫る問題」と話し、今できることとして「一人一人が自分のできることをすればよかですよ」と中村さんの口癖を博多弁のまま紹介した。
 市主催の人権啓発イベントで、約二百三十人が聴き入った。上映作品は、谷津さんによる千時間超の映像記録に中村さんの著作、写真資料などを加えて編集した約一時間半の長編。アフガニスタンの人々と泥だらけで駆け回り、質素な食事を喜び、専門外の土木や治水を徹夜で勉強する中村さんの姿を映し出している。

中村哲さんの思い出を語る谷津賢二さん=足利市で

 中村さんがアフガン東部で武装集団に銃撃され亡くなったのは二〇一九年十二月四日。以降のアフガニスタンはタリバンの復活や新型コロナウイルス、大干ばつなど深刻な状況が続いているが「中村医師に触れて覚醒した多数の人たちがその遺志を継ぎ、頑張っている」(谷津さん)という。足利市出身の谷津さんは足利高、立教大卒業後、民放の報道カメラマンを経て現在、日本電波ニュース社(東京都港区)のカメラマン。幼少期、書家相田みつをから書道を習った経験もある。
 「荒野に希望の灯をともす」のDVDはペシャワール会などで購入できる。問い合わせは同会事務局=電092(731)2372=へ。

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