96%が第三者の介入「必要」 いじめ問題に悩む教育現場アンケート 保護者との関係づくりにつまずきも…

2021年12月5日 21時07分
 子どもが自殺するような深刻ないじめが後を絶たない中、解決に悩む学校現場の実情を明らかにしようと、NPO法人「プロテクトチルドレン」代表の森田志歩さん=埼玉県川口市=が、全国の教育委員会や教職員にアンケートを実施した。回答からは保護者との信頼関係の構築につまずいて難航する様子が浮かび上がり、第三者による介入を求める意見が9割を超えた。(柏崎智子)
 10~11月にかけ、いじめ対応で難しいと感じる点や、いじめ防止対策推進法への考え方を尋ねた。無作為に選んだ教委100団体と小中高校150校に協力を求め、無記名で得た443人分の回答を集計した。
 難しい点として最多だった回答は「保護者との連携」で、6割が選択した(複数回答)。対応が遅れる原因を聞いた質問(同)でも、半数が「保護者との話し合いが難航し、関係がこじれる」ことを挙げた。
 こじれる理由は「説明しても(保護者が)納得しない」(64%)、「一方的に責められる」(38%)が多かった。自由記述では「敵対関係になり解決策を共有できない」「対応不可能なことも要求され、応じないと連絡が取れなくなる」と被害者の保護者との距離感に苦慮する声が聞かれた。
 難航した際、中立の第三者機関が介入して解決に協力することについて、96%にあたる425人が「必要」と回答。「必要ない」は9人のみだった。
 保護者との連携以外では、「いじめの判断」も難しい点に挙げられた。いじめ防止対策推進法で、いじめは、他の児童生徒の行為により心身の苦痛を感じたものと定義されるが、アンケートでは「被害、加害とされる双方の主張が異なった場合、一方的な判断は子どもたちとの信頼関係に影響する」などとして、見直しを求める意見が相次いだ。
 同法を詳しく説明した文部科学省のガイドラインについて「必ず従うべきだ」とする回答は61%にとどまり、「内容による」が38%に上った。法が現実的でないととらえる空気の広がりをうかがわせる。
 ほかにいじめの解決を妨げる要因として、多忙や教員同士で相談しにくい学校風土、いじめの重大性や法を理解せず保身に走る教職員の存在の指摘もあった。
 森田さんはアンケート結果を法改正やこども庁創設に生かしてもらうため、近く国会へ提出する。

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