民踊 2年ぶり、熱海で講習会 「各地の踊り、継承に努めたい」 若者への普及目指す

2021年12月6日 07時10分

感染防止を徹底して行われた講習会=いずれも熱海市で

 全国各地の民謡や音頭で踊る「民踊」の指導者を対象にした研究集会(講習会)が11月中旬の2日間、熱海市内で開かれた。今回で56回目の恒例行事だが、昨年はコロナ禍で中止。全国約300人の参加者を迎えた県内指導者のリーダー芹沢智子さん(83)=御殿場市=は2年ぶりの開催に「ホッとしている」と喜ぶとともに「今後も各地の踊りの継承に努めたい」と話す。(藤浪繁雄)
 講習会は盆踊りなどで各地で伝承されている民踊の普及を目的としていて、主催は全日本民踊指導者連盟。例年秋に熱海市内で開かれ、参加者はその年の課題曲の踊りを習得し、地元に戻って愛好者たちに教える。踊りは地域の行事や祭りなどで披露し、地域住民たちで楽しむ。
 講習の会場を分けて密を避けるなど、感染防止を徹底して実施した今回、課題曲は北海道の「イヤサカ音頭」、岐阜県の「正調大垣音頭」、鹿児島県の「山川漁(すなど)り節」など八曲。会場の中央部に設置されたやぐらで、その曲のご当地の指導者が振り付けを披露し、参加者は集中的にマスターしていった。

「各地の風習や文化を感じさせる踊りを残すことは大切」と話す芹沢智子さん

 県内の指導者を束ねる芹沢さんは「民踊は日本舞踊と異なり、みんなで輪になって楽しむ庶民の踊り」と解説。さらに「網打ちや櫓こぎといった所作を盛り込んだ振り付けに、その地域の風習や文化を感じることができる」という。
 民踊の課題はほかの伝統文化や民俗芸能と同様、愛好家や担い手の高齢化と継承者不足。かつて、町内会や婦人会などで欠かせない娯楽や芸事だったが、趣味や価値観の多様化で人口は減っている。それでも「踊れることは健康のバロメーター」と芹沢さん。楽しみながら心身の健康にも結び付くことをアピールして若い世代への普及を目指す。
 コロナウイルスへの不安は続くが、県支部では今回習得した踊りを来年春に開く指導の会で県内各地の指導員に伝える。県内では「ちゃっきり節」がよく知られているが、芹沢さんは「埋もれている素晴らしい曲や踊りがまだまだあり、世に出していきたい」と使命を語った。

関連キーワード


おすすめ情報