「モネの池」を救え 井の頭池に都内では珍しい「藻刈り船」を試験導入 外来種の水草を駆除

2021年12月6日 11時56分
 東京都三鷹市の都立井の頭恩賜公園の井の頭池に都内では珍しい「藻刈り船」がお目見えし、話題になっている。池で繁殖を拡大している外来種の水草「コカナダモ」を駆除するため、都建設局西部公園緑地事務所が先月末、試験的に導入した。事務所の担当者は「都内の公園で藻刈り船を出すのは初めてではないか」と話す。作業は8日ごろまで続く。(花井勝規)
 外来種の刈り取りをしているのは、井の頭池を構成する3つの池のうちの弁天池。藻刈り船は作業員1人で操作する小型のもので、鮮やかなオレンジ色の船体の前部に付いたカッターを上げ下げして水草を刈り、コンベヤーで運び上げている。紅葉を楽しむ来園者らが珍しい光景に足を止め、盛んに写真を撮っている。

外来種の水草駆除のため井の頭池に初投入された藻刈船。水に浮かぶ農機のよう=東京都三鷹市で

 かつて水の汚濁が指摘されていた井の頭池は、水を抜いて池底を干し上げる「かいぼり」をこれまでに3度経て水質が改善。2019年初夏には、環境省が絶滅危惧種に分類する水草「ツツイトモ」が池を覆うように繁殖し、美しい池の様子が「モネの池のよう」と話題となった。

刈り取られたコカナダモ=三鷹市で

 しかし、コカナダモが昨年から繁殖範囲を池全域に広げるようになり、ツツイトモを脅かしていることが今夏の事務所の調査で分かった。事務所の永田雅之工事課長は「早めに手を打った方が良いという専門家のアドバイスもあり今回、試験的に投入した。1日で5、6トン刈り取れるので人手による駆除に比べ効率的だ。今後、効果を検証したい」と語る。

コカナダモの群生(11月28日、ボート池付近で撮影)=三鷹市で

 水生植物の生態に詳しい東京農工大グローバル教育院講師、片桐浩司さんは「コカナダモは繁殖力が強く、ツツイトモなど在来種の大きな脅威だ。藻刈り船は水深1.2メートルほどまでしか刈り取れず、完全駆除は難しい。費用対効果を見極め、かいぼりも検討した方がいい」と話している。
 環境省の皇居外苑管理事務所によると、皇居のお堀では毎年のように藻刈り船を出し、水草の除去作業をしている。

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