<こうなる2020>(6)米大統領選 分断の大国 接戦必至か

2020年1月8日 02時00分
 日本にも世界にも大きな影響を与える四年に一度の米大統領選は、十一月三日に行われる。「米国第一主義」を掲げ世界を揺るがし続ける共和党のトランプ大統領(73)が再選し、さらに四年の任期を得るのか、それとも民主党の新大統領が誕生するのか。
 本来なら現職は圧倒的に有利だ。第二次大戦後、二度目の大統領選に挑み敗れた現職はカーター、ブッシュ(父)の両大統領だけ。しかし、トランプ氏は「予測不能」だ。支持率は安定しているものの40%台前半。不支持率が50%台で常時上回る。共和党内では九割の支持率を誇る一方、民主党支持者には徹底的に反発され、過去の多くの現職のように盤石とは言い難い。
 四年前も薄氷の勝利だった。大統領選の本選は州ごとの戦いで、一票でも上回った候補がその州で決められた数の「選挙人」を全て獲得する「各州総取り方式」。トランプ氏は得票率の差がわずか1ポイント前後で制した激戦州が四つもあった。
 トランプ氏再選の可能性について、世論の見方も割れている。昨年九月の米政治専門紙ヒルの調査では、「トランプ氏が勝つと思うか」との質問に、そう思うが39%、思わないが40%、分からないが21%だった。
 保守層の支持者に強固に支えられているのがトランプ氏の強み。対する民主党は一枚岩ではなく、かつてのビル・クリントン、オバマ両大統領のような勢いのある候補者がいないことにも助けられている。
 大統領選は共和、民主両党が二月から各州で順番に予備選や党員集会を重ね、最も多くの支持を集めた候補が夏の党大会で指名され、十一月の本選を戦う。プロ野球に例えると長丁場のレギュラーシーズンで代表を決め、秋に一発勝負の日本シリーズでチャンピオンを決めるイメージだ。
 共和党はトランプ氏で事実上決まりだが、民主党は混戦。バイデン前副大統領(77)を軸に、サンダース(78)、ウォーレン(70)の両上院議員、ブティジェッジ前サウスベンド市長(37)、ブルームバーグ前ニューヨーク市長(77)が続く。各候補とトランプ氏との比較では、バイデン氏がトランプ氏を上回る世論調査結果もあるが差はわずかだ。
 対イラン関係など中東情勢や米経済の動向が影響する可能性もあり、十一月の結果を現時点で予想するのは難しい。唯一言えるのは、前回以上に激しい選挙戦が繰り広げられ、どちらが接戦を制しても、米国の分断がますます深まるということだ。 (アメリカ総局・金杉貴雄)
 =おわり

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