コロナ禍終わっても、マスク生活は永遠に?「外すの、抵抗あります」

2021年12月8日 06時00分
マスク姿の若者ら=7日、東京都渋谷区で

マスク姿の若者ら=7日、東京都渋谷区で

 感染対策で必要に迫られて使うようになった、マスク。新型コロナウイルス禍はいまだ続き、2年近くマスクをする日常を送る中、ノーマスクの顔を他人に見せることに抵抗を感じる人が、若い世代を中心に増えている。コロナ禍後もマスク生活を続けたいという声も。いったい、どういうことなのか。(中沢佳子)

◆「もう顔の一部ですから」

 「マスクを外すの、抵抗あります。もう顔の一部ですから。この時期、乾燥で肌荒れしていてもマスクで隠せるし」。東京都杉並区の女性会社員(27)が苦笑する。特に抵抗があるのは、コロナ禍後に知り合った人に見せること。「今春入社した新人とランチをすることもあるけれど、食べる直前まで外さない。食べている間もあごにマスクをかけておいて、食べ終えたらすぐ戻している」
 「自分は早く外したい」という都内の大学4年の男子学生(23)は「女の子の友だちは『メークしなくていい』とマスクをしたがる子が多い。気持ちは理解できる」とうなずく。ただ、マスク生活は会話しにくいのが難点。「マスクでくぐもって声が聞き取りにくく、聞き返すことが多くて…」
 日用品流通の情報基盤を運営するプラネット(東京都港区)が今年3月、4000人に行った調査によると、コロナ禍後も積極的にマスクをするという人は、男性だと20代が全世代で最も多い29・9%。30代も29・4%に上り、年代が上がるにつれ減少する。一方、女性は各世代で多く、最多は60代(31・1%)だったものの、30代29・1%、四十代28・3%が続く。

◆「化粧しなくていい」「ひげ、そらず」

 マスクをつけていて良かったことには「化粧しなくていい。マスクなしの生活はもう考えられない」(女性40代)「カミソリ負けがつらいので、ひげをそらずにマスクでごまかす」(男性30代)といった声があった。もはや感染防止より、顔を隠す意識が強い。
 「コロナ禍前から若者たちの間で定着していた現象だ」と指摘するのは、若者文化に詳しいマーケティングアナリストの原田曜平さん。小顔効果を狙ったり、メークをしていない顔を隠したりする目的だといい、そんな姿を「だてマスク」と名付けた。「会員制交流サイト(SNS)を通じてたくさんの人とつながり、コミュニケーションをとる中、マスクをしていると自分を守れる気持ちになれる面もある。コロナ禍で、その価値をより実感した人が増えたのだろう」

◆「コンプレックスも隠せる」

 マスクを「取りたくない人」はともかく、「取れない人」も現れる。そう考えているのは、コロナ禍前に「だてマスク依存症」を出版したカウンセラーの菊本裕三さんだ。「歯並びなど容姿にコンプレックスがある。他人とのコミュニケーションを拒みたい。そういった思いが根底にある人にとって、マスクの防衛効果は絶大」。SNSを使いこなす若者はコミュニケーション上手と思われるが、菊本さんは「SNSと直の対話は全く別物。直接話すことに緊張感を伴う人もいる。マスクは自分をさらけださずに済み、コンプレックスを隠せる」と説明する。

◆専門家「抵抗力落ちる恐れも」

 ただ、必要がないのにマスクを使い続けることで、健康上の影響はないのかは気になる。
 国立感染症研究所の元研究員で福島県立医科大の原田文植助教(内科)は基礎疾患を抱えて免疫力が低い人にはマスクが安心材料になるとしつつも、「マスクをしたまま運動すると、高地トレーニングのように酸欠に近い状態が続く。赤血球が増える多血症の恐れを招き、血栓ができやすくなる」と指摘。若く健康な人がマスクを使い続けることに、こう危ぶむ。「ウイルスに対する抵抗力が落ちるなど、思わぬ『副作用』もあるかもしれない」

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