ギャンブル依存症 対策推進計画策定1県のみ

2019年12月29日 02時00分
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備の前提となるギャンブル依存症対策の推進計画を策定済みの都道府県は愛媛のみであることが、本紙の調べで分かった。IR誘致を表明・検討している東京や大阪、愛知など五都府県はいずれも策定していない。治療のための専門的な医療機関の設置は、都道府県・政令市の半数にも満たない。カジノ設置の動きが本格化する一方で、依存症対策は遅れが鮮明になった。 (中根政人)
 本紙は四十七都道府県と二十政令市に依存症への対応状況を聞いた。
 「ギャンブル等依存症対策基本法」は、都道府県に依存症対策の指針となる推進計画の策定を努力義務としている。法成立から約一年半たった十二月十八日時点では、策定済みは愛媛だけだった。
 二〇一九年度中に策定すると答えたのは北海道や愛知など七道府県、二〇年度中は岩手など七県、二〇年度以降は山口一県だった。IR誘致を検討する東京など三十一都府県は、策定時期を未定と回答した。
 基本法に基づく政府の「基本計画」では、依存症の人たちの相談・医療拠点も二〇年度までに整備するよう都道府県と政令市に求めている。
 症状や悩みを聞く「相談拠点」を設けたのは六十七自治体中四十三で六割超。専門医がいる「専門医療機関」は三十一で半数弱、医師の研修などを担う「治療拠点機関」は二十二で三割強にとどまった。
 専門医療機関が未設置のうち二十一自治体、治療拠点機関の未設置では二十五自治体が設置目標年度を「未定」とした。IR誘致を検討する自治体のうち、東京都は両機関とも設置時期を「未定」と回答。横浜市は神奈川県が設置した両機関を利用する。
 医療体制の整備が進まない背景には、専門的な知識を持つ医師の不足がある。厚生労働省依存症対策推進室は「専門医を確保するため、医療機関での研修などを充実させていく必要がある」と課題を認めている。
 IRについて、現段階で横浜市、大阪府・市、和歌山県、長崎県が誘致を表明。千葉市、東京都、愛知県、名古屋市が誘致の可能性を検討するとしている。
<カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法> カジノを刑法の賭博罪の適用対象から外し、解禁することを柱に2018年7月成立。競馬など公営ギャンブルとは別に民間企業の賭博営業を初めて合法化した。当初は全国で最大3カ所を上限に、20年代半ばにも開業する見通し。ギャンブル依存症対策として、日本人客には週3回、月10回の入場制限や、6000円の入場料を設定する。整備地域を巡り、自民党は「4、5カ所」、公明党が「2、3カ所」を主張し、最大3カ所で合意した。

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