犯罪被害者対応巡り代表質問 川崎市が「教育支援」検討へ 市議会 広範囲のサポート求め

2021年12月8日 07時22分
 川崎市の犯罪被害者等支援条例案が二〇一九年に登戸駅近くで起きた私立小児童らの殺傷事件など、制定前の事件の被害者を「対象外」としたことを巡り、市側は七日、「さかのぼっての適用は難しいが、条例の理念を踏まえて相談を受け止める。さまざまな施策を活用し、支援する」と見解を示した。学校と連携した「教育支援」について検討を始めるとし、同事件の被害者への意見聴取を行う方針も明らかにした。(安藤恭子)
 条例案は児童生徒への「教育支援」に直接触れておらず、市教育委員会も犯罪被害者支援を協議する庁内会議に入っていない。この日の市議会代表質問では自民、みらいの両会派が、子どもが被害者となる事件が市内で相次いだとして教育支援の必要性をただし、中村茂市民文化局長が答弁した。
 露木明美議員(みらい)は、教育との連携や支援を含む神戸市や三重県の条例を紹介。「子どもにかかわる支援については、予算の弾力的な運用も検討すべきだ」と過去の事件への適用も求めた。上原正裕議員(自民)は「心的外傷後ストレス障害(PTSD)等の後遺症は、長期間の心のケアが強く求められる。児童のみならず保護者、教師など広範囲の対象者にサポートが必要だ」とただした。
 一九年五月に起きた登戸の事件では市が私立小に心理職職員を派遣。同年七月の派遣終了後も「心のケアについて、相談支援機関の情報提供や教職員向け研修を行う支援をした」と中村局長が説明。ただ、犯罪被害者に特化した支援策がない中で、市が被害者の個別相談に応じたものの「ご要望にお応えできなかったところもあった」と述べた。
 上原議員は、市民や団体、事業者からの寄付を犯罪被害者支援の経費に充てる兵庫県明石市の基金条例の取り組みも提案し、柔軟な予算対応を求めた。中村局長は「調査研究を行いたい」と話した。

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