<深堀隆介展 この1点>(2) 《大渦》2010年 ウロコの下に描いた心象風景

2021年12月8日 07時26分
 平面絵画の金魚である。大渦は、実際に数年間飼っていた金魚の「渦(うず)」が死んだことがきっかけで描いた作品だ。渦は長年連れ添った愛魚だった。ジャンボ獅子頭という品種だったが、コブが発達せず、できそこないであったが、そこがかわいかった。飼っていた金魚の中で最も大きく育ち、これからさらに大きくなれ!と期待していたところで亡くなってしまった。大きな金魚だったことから、作品も大きく描こうとパネルから作り始め、縦2.4×横1.2メートルのパネルを制作。そこに渦の体を思い出しながら描いていった。
 ちなみに、私の描く平面の金魚には秘密がある。実はウロコの下には、さまざまな心象風景が描かれているのだ。それは金魚に全く関係ないことばかりだ。今朝見たニュース映像、食べた物、好きなもの嫌いなものなど、もう何でも描き込んである。それをウロコが覆って隠しているが、色や線などがぼんやり透けていて、金魚の体の透け感の表現になっている。大渦のおなかあたりには彼岸花がうっすらと見えているので、ぜひ探してみてほしい。(現代美術家・深堀隆介)
 ※次回は15日掲載

◆上野の森美術館で開催中

 深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」は、来年1月31日まで上野の森美術館で開催中。詳細は公式HPで。

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