厳冬の到来でアフガニスタンの国内避難民ら870万人に飢餓の恐れ 東京のNPOが緊急支援

2021年12月8日 12時00分
アフガニスタンの東部ラグマン州で12月2日、AARのスタッフから食料や毛布を受け取る国内避難民ら=AAR提供

アフガニスタンの東部ラグマン州で12月2日、AARのスタッフから食料や毛布を受け取る国内避難民ら=AAR提供

  • アフガニスタンの東部ラグマン州で12月2日、AARのスタッフから食料や毛布を受け取る国内避難民ら=AAR提供
  • プログラム・コーディネーターの紺野誠二さん=AAR提供
 政情不安が続くアフガニスタンに厳しい冬が到来した。イスラム主義組織タリバンが実権を掌握してから約4カ月。混乱を逃れて国内でテント生活を余儀なくされる国内避難民は今年だけで60万人を超え、厳しい状況に置かれている。難民・避難民の支援に当たっている認定NPO法人「難民を助ける会(AARJapan)」(東京)は12月1、2の両日、緊急支援で国内避難民らに食料と毛布を配布した。(藤川大樹)
 AARは1999年以降、20年以上にわたり現地で地雷や不発弾の被害を避けるための教育や、障害者支援に当たってきた。8月15日の首都カブール陥落後は、スタッフの安全を考えて一時的に活動を停止したが、10月末以降はタリバン側の行政関係者と協議を進めているという。
 AARによると、足元では、過激派組織「イスラム国」(IS)系の武装勢力によるテロ事件が散発しているものの、治安情勢は改善しつつある。
 2002年にカブール事務所を立ち上げ、現在も日々、現地スタッフと連絡を取り合っているプログラム・コーディネーターの紺野誠二さんは「都市部の女性らはタリバンへの恐怖心が強い。AARの女性スタッフもしばらく出勤を見合わせていたが、徐々に活動を再開している」と説明。スタッフらは車で地方へ出掛け、地方の行政関係者と打ち合わせをしている。
 一方、アフガン国内では経済危機や食料不足が深刻化。世界食糧計画(WFP)は、現地で今冬、人口の半数を超える2280万人が深刻な食料不足に陥り、このうち870万人が飢餓に直面する恐れがある、と指摘している。
 こうした現状を踏まえ、AARは普段の活動とは異なる、緊急の食料配布を決めた。活動場所に選んだのは東部ラグマン州。カブール陥落以前から、アフガン政府軍とタリバンによる戦闘から逃れた国内避難民らがテントを張って生活をしていた。今回は特に困窮する180世帯を対象に、小麦粉や食用油、砂糖、お茶、ヨウ素入りの塩、毛布を配布した。
 ただ、現地では物価が高騰しており、必要経費は膨らんだ。WFPの報告書によると、11月下旬時点で小麦粉の価格は6月末と比べて32・6〜33・5%上昇。食用油は25・7%、塩は7・5%、砂糖は21・2%値上がりした。
 紺野さんは「どうしても資金的な制約は出てくる。食料の購入費用だけでなく、現地の調査費用やスタッフの宿泊費用、レンタカー代などがかかってしまう」と話す。
 広報担当の吉沢有紀さんは「まだまだ支援を必要としている人はたくさんいる。より多くの人に支援を届けたい」と語り、寄付を呼び掛けた。詳しい問い合わせは、AAR=電03(5423)4511=へ。

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