海自中東派遣を閣議決定 1年間 調査名目で260人規模

2019年12月27日 16時00分
 政府は二十七日午前の閣議で、海上自衛隊の中東派遣を決定した。護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機二機が情報収集を行う。派遣する隊員は二百六十人規模。派遣根拠は防衛省設置法の「調査・研究」で、国会の承認は必要ない。活動期間は来年十二月二十六日までの一年間とし、延長する場合は改めて閣議決定する。
 中東の緊張が高まる中、日本関係船舶の安全確保に向けた情報収集を目的に掲げた。活動海域はオマーン湾やアラビア海北部、アデン湾の三海域に限定し、排他的経済水域(EEZ)を含む公海上とする。友好関係にあるイランへの配慮から、ホルムズ海峡やペルシャ湾は含まない。
 調査・研究は従来、防衛相の指示だけで実施してきた。今回は海外派遣がなし崩しに拡大することを懸念した公明党の求めを受け、閣議で派遣を決めた。閣議決定時と活動終了時の国会報告も義務付けた。
 菅義偉官房長官は記者会見で「派遣の重要性を国民に説明する責任の観点から閣議決定した」と説明。自民、立憲民主両党の国対委員長は国会内で会談し、一月十七日に衆院安全保障委員会で閉会中審査を行うことに合意した。参院外交防衛委員会も同日に閉会中審査を行う見通しだ。
 河野太郎防衛相は海自部隊に派遣準備を指示した。哨戒機は一月十一日に日本を出発する予定。現在、アフリカ東部ジブチを拠点に活動する海賊対処を兼務する。
 たかなみは二月中に現場海域に到着し、艦載のヘリコプターも活用して情報収集に当たる。派遣関連費は約四十七億円を二〇二〇年度予算案に計上した。
 米国主導の有志連合には加わらず、収集した情報を共有して連携する。米軍がバーレーンに置く司令部に自衛隊から連絡要員を派遣することも検討している。
 活動中、不測の事態が発生した場合は自衛隊法に基づく海上警備行動を発令し対応する。日本籍船に加え(1)日本人が乗船(2)日本の事業者が運航(3)日本の積み荷を輸送-する外国籍船を保護対象とする。国際法上、武器を使って保護できるのは日本籍船だけになる。
<自衛隊の海外派遣> 湾岸戦争後の1991年、機雷掃海に海上自衛隊が参加したのが初。92年に国連平和維持活動(PKO)協力法に基づきカンボジアに展開した。2001年には海自艦がインド洋で給油活動を行い、03年に陸上自衛隊がイラクで道路修復に従事。いずれも特別措置法を根拠にした。09年から海賊対処法で海自がソマリア沖で活動。今年4月、安全保障関連法で新設した任務として、シナイ半島で平和維持活動を実施する多国籍軍監視団の司令部に陸自幹部を派遣した。

関連キーワード

PR情報

政治の新着

記事一覧