オーストラリアと英国、北京冬季五輪の外交ボイコットを表明 人権侵害理由に米国に追随

2021年12月8日 22時58分
オーストラリアのモリソン首相(AP)

オーストラリアのモリソン首相(AP)

 【ロンドン=加藤美喜、北京=坪井千隼】ジョンソン英首相は8日、下院で来年の北京冬季五輪・パラリンピックに「閣僚も高官も出席する予定はない」と述べた。オーストラリアのモリソン首相も8日、中国の新疆ウイグル自治区での人権侵害などを理由に閣僚や高官ら政府代表を派遣しないと表明しており、「外交ボイコット」は米国を含め3カ国になった。
 ジョンソン氏は、下院で保守党議員の質問に答え、「事実上の外交ボイコットだ」と位置付け、「競技のボイコットは賢明ではない」と付け加えた。英紙テレグラフは8日、ジョンソン政権が北京五輪に閣僚を送らず、駐中国大使を出席させる限定的な外交ボイコットを検討していると報じていた。ボイコットの広がりに中国が一層反発を強めるのは必至だ。
 モリソン氏は「私はスポーツと政治を明確に切り離している」と強調、選手派遣に影響はないとした。中国は米国のボイコットに対抗措置を警告しているが、モリソン氏は「受け入れられない」と述べた。オーストラリアでは2032年にブリスベンで夏季五輪が開催される予定。
 モリソン氏は、人権問題などを巡り何度も協議を呼び掛けたが中国側が応じなかったとし、「政府当局者が五輪のために中国に行かないことは驚くべきことではない」と述べた。

◆中国「政治的なパフォーマンスの場でない」

 中国外務省の汪文斌おうぶんひん副報道局長は8日の定例記者会見で「オーストラリアは特定の国にむやみに従っている。五輪は政治的なパフォーマンスの場ではない」と批判した。厳重な抗議をしたという。
 中豪関係は、豪政府が新型コロナウイルスの発生源を巡って中国での国際調査を求めたことなどをきっかけに、昨年から急速に悪化している。

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