「犬の避難優先を首相が指示」英外務省元職員が内部告発 アフガン撤退時 ジョンソン首相は介入否定

2021年12月8日 21時44分
国会議事堂に向かう途中、報道陣に手を上げるジョンソン首相=8日、ロンドンで

国会議事堂に向かう途中、報道陣に手を上げるジョンソン首相=8日、ロンドンで

 【ロンドン=加藤美喜】アフガニスタンで8月にイスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧した際、英政府がアフガン人協力者らよりも犬の国外退避を優先したなどとする内部告発者の証言が7日公表され、波紋が広がっている。
 内部告発したのは英外務省元職員のラファエル・マーシャル氏(25)。英下院外交問題委員会が公表した40ページの陳述書によると、同氏は首都陥落後、現地特別班の一員として退避申請者の資格審査に従事した。
 同氏は「申請者は最大15万人に上ったが、何らかの援助を受けられたのは5%未満だろう」とし、タリバンの報復を恐れて必死に助けを求める人々の申請メールが常に5000件以上「未読」のままだったと証言。優先順位を付ける作業は「恣意的」で「機能不全」に陥っていたと指摘した。
 逼迫した状況下で、特別班は英動物保護団体がアフガン国内で保護している動物の移送に力を注ぐよう「首相からの指示」を受け取ったとも証言。大混乱のカブール空港に動物を運ぶために、英兵が危険にさらされたと主張した。
 同団体の代表と約170匹の犬や猫は8月29日に英国に到着。同団体関係者は英メディアに、ジョンソン首相の妻で動物愛護に熱心なキャリーさんへの度重なるロビー活動が奏功したと述べた。ジョンソン氏は7日、介入疑惑を「全くのナンセンスだ」と否定。「英軍は困難の中で1万5000人を国外退避させた」と作戦の成功を強調した。

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