【動画】「まるでエンタメのように消費されている」安田菜津紀さん、出自に関する差別的ツイートで投稿者を提訴

2021年12月8日 23時00分

「ヘイトは魂の殺人だ」と訴える佐藤慧さん(右)と安田菜津紀さん=8日、霞ケ関の司法記者クラブで

 フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(34)が、ツイッターに投稿された差別的な書き込みで人格権を侵害されたとして、西日本在住の男女2人を相手取り、計390万円の損害賠償を求める訴訟を8日、東京地裁に起こした。同日、都内で記者会見した安田さんは「差別は『心の傷つき』の問題に留まらない。若い世代に矛先を向けられないよう連鎖に歯止めをかけたい」と話した。
 安田さんは会見で、インターネット上の差別の言葉が「まるでエンターテインメントのように消費され続けている」と指摘。「向けられた側の命や日常の尊厳を削り取っていく暴力性がある」と問題視した。
 訴状などによると、安田さんは2020年12月、「もうひとつの『遺書』、外国人登録原票」との題名で、在日コリアン2世だった父親の出自に触れた記事をNPO法人「ダイアローグフォーピープル」の公式サイトに掲載。記事の一部を引用し、ツイッター上で「父が在日コリアンだと知ったのは死後だった」などとつぶやいた。
 これに対し、投稿者の女性は「密入国では?犯罪ですよね?逃げずに返信しなさい」とツイッターに記載。男性も「反日韓国人撃退マニュアルとか読んでみろ。なぜ日本人から嫌われてるかがよく分かるわい」などと書き込み、父親の名誉を毀損きそんしたとしている。
 ダイアローグフォーピープルの佐藤けい代表(39)は「たかが悪口というが、これは魂の殺人だ。歴史的背景を無視し、日本に入らなければならなかった人たちを『犯罪者』と差別したことは重大な問題だ」と話した。
 師岡康子弁護士は「被害者が声を上げるのは大きな負担で、多くの人は泣き寝入りしている。包括的な差別禁止法や、独立した人権救済機関を作る必要がある」と指摘した。(望月衣塑子)


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