府中のケヤキ並木 児童、生徒らが種を採集 育てます
2021年12月9日 06時42分
国の天然記念物に指定されている府中市の「馬場大門(ばばだいもん)のケヤキ並木」を保全するため、地元の小中学校、高校の児童生徒が先月、並木でケヤキの種を採集した。拾った種は、近くの都立農業高の生徒が苗木になるまで育て、並木に植える計画だ。(宮本隆康)
◆府中第一小、第一中の40人
馬場大門のケヤキ並木は、京王線府中駅西側を走る市道の南北六百メートルの区間にあり、一九二四(大正十三)年に国の天然記念物に指定された。当時は六十本ほどだったケヤキは、その後の植樹で百二十本に増えたが、樹齢を重ねて枯れたり、台風で倒れたりして、数が減りつつある。
このため、都立農業高の生徒たちが二〇一七年に並木の地面に落ちた種を拾い、苗木に育て始めた。市も今年三月、都立農業高と並木の景観保全を目指す連携協定を結んだ。今秋、初めて地元の小中学生にも種の採集に参加してもらった。
種拾いの活動は三回にわたり、地元の府中第一小と府中第一中から、児童生徒ら計四十人が参加。都立農業高の生徒たちと一緒にバケツ二十個分の種を拾い集めた。
◆都立農業高で来春、種まき
種は来年二月下旬から三月中旬にかけ、小中学生も一緒に都立農業高の農園に種をまく。三年ほどかけて高さ約三メートルに育ったら、並木に植える。市の担当者は「馬場大門のケヤキ並木は府中のシンボル的な存在。子どもたちにもっと身近に感じ、学んでもらえるような取り組みとして続けたい」と話している。
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