「Dappi」裁判始まる 「ツイートは名誉毀損」立民議員が提訴、被告側は請求棄却求めるも出廷せず

2021年12月10日 19時37分
 匿名Twitterアカウント「Dappi」による虚偽のツイートで名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員が東京都内のIT関連企業に対して880万円の損害賠償などを求めた民事訴訟の第1回口頭弁論が10日、東京地裁であった。被告のIT関連企業は請求棄却を求め、争う構えを示した。(デジタル編集部)
 訴状などによると、アカウント「Dappi」は2020年10月、森友学園問題を巡り「近財(近畿財務局)職員は杉尾秀哉や小西洋之が1時間吊るしあげた翌日に自殺」とTwitterに投稿。原告の両議員は近畿財務局の職員と面談した事実はなく、人を死に追いやったとする虚偽の投稿で名誉を傷つけられたと訴えている。
 両議員らは、このアカウントの発信者情報をTwitter社やプロバイダに開示を求める手続きを経て、発信者が東京都内のIT関連企業だと特定。投稿時間が平日の午前9時から午後10時頃に集中しており土日の投稿が乏しいこと、投稿内容では動画編集や文字起こしなど一定量の作業をこなしていることから、このアカウントが組織的に運営されているとみなし、この企業への提訴に踏み切った。
 一方、被告側は出廷せず。答弁書で請求棄却を求めたが、認否については「追って調査の上行う」とし、詳細を明らかにしなかった。次回期日の2月28日までに提出する準備書面で、何らかの主張をするとみられる。

◆原告の立民議員「民主主義を歪める行為」と憤り

記者会見する(左から)杉尾議員と小西議員

 問題のTwitterアカウント「Dappi」は17万人以上のフォロワーがおり、プロフィールには「日本が大好きです。 偏向報道をするマスコミは嫌いです。 国会中継を見てます」と記されている。これまで編集された国会動画などを投稿してきたが、自民や維新は賞賛する一方、立民や共産など野党の発言を「ギャーギャー」と表現するなど揶揄した内容が目立つ。10月1日に菅義偉首相(当時)の投稿をリツイートしたのを最後に、アカウントの更新は止まっている。
 第1回口頭弁論が開かれた後の10日夕、記者会見を開いた小西議員は「野党議員の質問を全く違う内容に意図的に改変している。民主主義そのものを歪める行為だ」と憤る。その上で「何らかの形で国政に関わったことのある人が、集団で組織的に運営しているのではないかと思う」と述べた。
 杉尾議員は「言論や表現の自由は最大限に尊重されるべきだが、近財職員の自死の原因をつくったという事実に反するツイートは5000件以上リツイートされており、看過できない」と強調。「意図的にフェイクニュースを流すことがビジネス化しているという指摘がある。民間企業を隠れ蓑にして政治的な情報操作をやっているという実態があるとすれば、歯止めをかけなければならない。民主主義の根幹に関わる問題だ」と指摘した。
 被告のIT関連企業は提訴直後の10月、本紙の取材に対して「お問い合わせの件につきましては、国会議員が弊社を提訴したと聞きました。訴状を見ていないのでコメントのしようもなく回答は差し控えさせていただきます」とメールで回答。Dappiの運営に関与した事実があるかについては否定も肯定もせず、明言しなかった。政治資金収支報告書によると、閣僚経験がある自民の女性衆院議員が代表を務める資金管理団体や自民東京都連などと取引関係があった。

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