公文書、桜も森友も加計も廃棄 保存1年未満 真相解明阻む

2019年12月8日 02時00分
 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」を巡り、公文書管理の在り方が問題となっている。政府が招待客名簿を廃棄したことを理由に会の実態を明らかにしないからだ。公文書の廃棄が壁となり、真相解明が進まない構図は、森友学園や加計(かけ)学園の疑惑でも同じだった。
 桜を見る会の招待客は、首相や官房長官、与党政治家などの「政治推薦」が各府省庁からの推薦を大幅に上回り、会の「私物化」への批判が噴出。マルチ商法を展開した「ジャパンライフ」の元会長が二〇一五年に首相らの推薦枠で招待されたことも追及を受けた。
 政府は招待客や政治推薦の名簿について、公文書管理法に基づき保存期間一年未満の文書として遅滞なく廃棄したと説明。野党が詳細に踏み込んで聞いても、政府は名簿がないため確認できないと繰り返すのみになっている。
 保存期間を一年未満とする文書は、一七年十二月の「行政文書の管理に関するガイドライン」の改定で、日常的な業務連絡や日程表、コピーなど「軽微」な七類型に限定された。だが七類型は抽象的で、どの文書が該当するかは各府省庁が決められる。そのため役所ごとの裁量で都合の悪い文書を「一年未満」とし、すぐに廃棄してしまう余地が残っている。
 森友問題では、財務省が国有地の取引に関する交渉記録を「一年未満」として「廃棄した」と、存在を否定した。後に、職員の「手控え」として個人パソコンなどに記録が残されていたことが分かった。
 加計問題でも、愛媛県の文書に首相と学園理事長が一五年二月に面会したとする記録が残されていた。だが政府は官邸の入邸記録が「一年未満」で廃棄され、記録は残っていないと事実確認を避けた。
 与党内には「公文書管理法は、むやみに役所の文書を捨てないためにつくった法律。桜を見る会の名簿も法律に照らせば、最低五年は保存しないとおかしい」(自民党中堅)と現状に懸念を示す声も出ている。 (中根政人)

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