温室ガスゼロに向け、いまこそ福島の人たちの経験生かせ 本紙池尾編集委員「魂の発電所」 平和・協同基金奨励賞贈呈

2021年12月11日 19時51分

贈呈式であいさつする池尾編集委員

 平和や人々の連帯に貢献した報道を表彰する第27回「平和・協同ジャーナリスト基金賞」の贈呈式が11日、日本記者クラブで開かれ本紙の池尾伸一編集委員の著作「魂の発電所―負けねど福島 オレたちの再エネ十年物語」(徳間書店)に奨励賞が贈られた。
 同著作は、福島第一原発事故で生活基盤を奪われた人々が、ふるさと再生をかけて行政や大手電力と厳しい交渉を展開しながら再生可能エネルギー発電に取り組んできた軌跡をノンフィクション作品にした。

平和・協同ジャーナリスト基金賞の受賞者ら

 池尾編集委員はあいさつで「政府は2050年を目標とするカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)達成のために再エネを大幅に拡大するより、石炭や原発を使い続けようとしている」と指摘。その上で「政府は日本の自然環境では再エネ拡大に限界があるというが、福島では耕作されない農地を使った太陽光発電や農業用水を活用した小水力発電をいくつも実現させ、地元に雇用も生んでいる。小規模分散型発電システムに向け福島の人々の10年の工夫と経験にいまこそ学ぶべきだ」と語った。
 大賞は元朝日新聞記者でジャーナリストの渡辺延志さんの「歴史認識 日韓の溝」(ちくま新書)に贈られた。
 他の受賞作は次の通り。
【奨励賞】
共同通信取材班「わたしの居場所」(現代人文社)
札幌テレビ放送「核のごみは問いかける 『尊重』の先には…」
毎日新聞・千葉紀和、上東麻子両記者「ルポ『命の選別』 誰が弱者を切り捨てるのか?」(文芸春秋)
イラストレーター・橋本勝さんの長年にわたる一連の政治風刺漫画
北日本新聞社・宮田求編集委員「連載・神の川 永遠に―イ病勝訴50年」
【審査委員特別賞】
RKB毎日放送「永遠の平和を あるBC級戦犯の遺書」

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