多様性、藍で染め 藤沢で企業制服に活用の試み 障害者が染色 雇用創出へ

2021年12月12日 07時09分

障害者の男性に藍染めを指導する守谷さん(右から2人目)=藤沢市で

 藤沢市で障害者が藍染めした衣類を市内企業が制服として活用するプロジェクトが始まった。障害者の雇用創出や資源のリサイクル促進、シティプロモーションにつなげるのが狙い。天然の藍を使ってインテリアデザインやアート制作を手掛ける守谷玲太さんが、アパレルショップや市資源循環協同組合、市と協力して企画した。(吉岡潤)
 守谷さんは、伝統文化を継承しながら発展性、持続性がある社会を目指す活動を続けている。「日本からなくなりつつある藍を大切にしたい」と思案。障害者を対象にした藍染め体験会に携わった経験から、今回の構想が浮かんだという。
 「藍染めは一着一着仕上がりが違う。みんなが多様性を認め合う社会になればという思いを込めた」。ジャパンブルーと称される藍色には藤沢の海や空を重ね合わせた。植物由来の藍は環境に優しく、染め直した古着の再利用は、SDGs(持続可能な開発目標)の理念を具現する。
 「FUJISAWA CITY」のロゴ入りエコバッグなどをデザイン、販売して市のPR活動やプラスチックごみ削減に協力しているアパレルショップ「ラファイエット」がシャツを提供。廃棄物処理業者でつくる同組合のリサイクル工場で働く障害者が染色を担当する。またパーカやトートバッグなども染め、ラファイエットが販売し、売り上げの一部を市の環境基金に寄付する。
 企画の趣旨に共鳴し、制服採用に手を挙げたのが焼き肉店などを経営する吉田亘良(もとよし)さん。藤沢駅北口に新たに開いた精肉店の従業員用に九十着を発注した。「デジタル、デジタルと言われるけど、アナログな手作業でしか作れないものも大事。汚れたら染め直して使いたい」
 二十人の障害者を雇用している同組合の金田勝俊代表理事は「ものづくりという違った仕事で長く働く環境が整えば」と期待。染色作業を担当する障害者の男性は「楽しいし、たくさんの人に着てもらえるのがうれしい」と話した。市は周知を図り、協力企業を増やしていくという。

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