[おかえり葉っぱちゃん] 愛知県扶桑町 尾関滋夫(67)

2021年12月12日 07時45分

◆わたしの絵本

イラスト・まここっと

◆300文字小説 川又千秋監修
[トラウマ] 愛知県小牧市・公務員・48歳 衣川由美子

 テレビを見ていた息子がポツリ。
 「トラウマって、虎模様の馬のことかな?」
 娘がすかさず言い返す。
 「しましまの馬はシマウマ、つまりゼブラだよ」
 わが娘ながら、なかなか鋭いツッコミだ。
 テレビから流れる「…そんな体験がトラウマになりまして…」というセリフを聞いて、娘がしみじみと語る。
 「きっとさぁ、虎と馬が結婚して子どもが生まれたんだけど、なんだか虎でも馬でもなくて、つらいなぁって気持ちになって、そんな思いをトラウマって言うんじゃないかなぁ」
 「そっかぁ。虎でも馬でもないってつらいよねぇ」
 妙に納得する息子。
 なんだか、本当は、そっちの意味が正解な気がしてきた。

<評> 中国語に「馬馬虎虎(まーまーふーふー)」という言い回しがあり、どっちつかずの言い逃れ場面で使われるようです。トラウマは“傷”を意味する古代ギリシャ語に由来する単語のはずですが…。

[女王様] 愛知県犬山市・会社員・55歳 酒井克己

 私の家臣は、絶対服従を誓った忠実な者たち。
 そう、私はこの国の女王。この国を統べる者。
 この国は、私を中心に回っている。
 家臣たちは、片時も私のことを忘れず、日常の世話をする。
 お風呂はもちろん、食事の支度も、家臣たちは喜んで日夜励んでいる。
 この働きに、私も家臣たちに感謝を込めて、美しき微笑(ほほえ)みを返してやっている。
 この時とばかり、家臣たちは一斉に歓声を上げる。
 私の微笑は、家臣ばかりでなく、全国民を幸福にしているようだ。
 そろそろ、起きる時間だ。
 家臣を呼ぼうかな。
 おぎゃー、おぎゃー、おぎゃー!
 小走りに第一家臣がやって来た。
 ママという名前だ。

<評> 女王様のご機嫌こそが、全国民の関心事。その表情、しぐさ、発する言葉のひとつひとつに、家臣たちは一喜一憂。心を一つに、ひたすら仕える様子が伝わってきます。健やかなご成長を願って!


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