アメリカで「史上最大級の竜巻」死者少なくとも30人 季節外れ、気候変動で被害拡大か 「竜巻街道」で50個以上

2021年12月13日 19時09分
竜巻で被害を受けた車と家財道具=11日、米ケンタッキー州ブレーメンで(AP)

竜巻で被害を受けた車と家財道具=11日、米ケンタッキー州ブレーメンで(AP)

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】米南部と中西部で10日から11日にかけて竜巻被害が相次ぎ、米メディアによるとケンタッキー州で20人以上の死者が確認されるなど、少なくとも5州で計30人以上が死亡した。発生した竜巻は8州で50個以上とみられる。一帯は「竜巻街道」として知られるが、季節外れの大量発生と被害の拡大には気候変動が影響した可能性もある。
 甚大な被害が出たケンタッキー州メイフィールドでは、クリスマス需要を受けた夜勤の110人が作業中のろうそく工場を竜巻が直撃。ロイター通信によると、8人が死亡、別の8人が行方不明となっている。
 当初は70人程度が不明とされ、同州のビシア知事は州内の死者が100人を超えるとの認識を示していたが、大半の従業員の無事が確認された。シェルターに避難した後に工場を離れ、停電や通信状況の混乱で確認が遅れたという。
 イリノイ州ではインターネット通販大手アマゾンの倉庫の一部が損壊し、6人が死亡。テネシー州で少なくとも4人、アーカンソーとミズーリ両州でもそれぞれ2人が死亡した。
 バイデン大統領は11日「史上最大の竜巻の一つだろう。連邦政府にできる支援は何でもする」と表明。気候変動との関連について米環境保護局(EPA)などに、調査を要請する考えを示した。
 米メディアによると、米国では竜巻は春に多いとされるが、10日は被害地域で4月並みの暖かさとなり、北からの寒気と衝突。竜巻を生む巨大な積乱雲「スーパーセル」が発生しやすい状況だったという。ケンタッキー州を襲った竜巻の1つは米史上有数の365キロもの距離を移動した。
 CNNテレビ(電子版)は、気候変動の影響で米中部の「竜巻街道」のルートが東寄りに変化し、人口密度の高い今回の被害地域に重なったとする見方を紹介した。

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