<論戦ファクトチェック>桜を見る会の「反社会的勢力」 菅長官「定義ない」 実際は安倍内閣が07年定義

2019年12月2日 02時00分
 首相主催の「桜を見る会」への反社会的勢力の参加問題を巡り、菅義偉(すがよしひで)官房長官は「反社会的勢力の定義は一義的に定まっていない」と主張している。実際には、第一次安倍内閣が二〇〇七年に反社会的勢力の特徴を定義し、社会からの排除が「重要な課題」と訴えていた。政府による定義を素通りし、参加者の実態調査を拒む菅氏の姿勢は、これまでの政策と矛盾しかねない。 (妹尾聡太)
 政府は〇七年六月、当時総務相だった菅氏を含む全閣僚で構成する犯罪対策閣僚会議の幹事会申し合わせで「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」を策定。暴力団をはじめとする反社会的勢力を「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団または個人」と定義し、不当な要求への対応策をまとめた。
 ところが、菅氏は今年十一月二十七日の記者会見では、反社会的勢力という用語に関し「さまざまな場面で使われることがあり、定義は一義的に定まっているわけではない」と述べた。桜を見る会に該当者がいたかどうかについては「個々の招待者の参加は承知していない」と確認を避けた。
 警察庁の担当者も翌二十八日の野党会合で「現状いろいろなところで使われている言葉が、必ずしも〇七年の定義と同じ認識かどうかは言えない」と菅氏の発言に歩調を合わせた。
 企業の危機管理コンサルティング会社「エス・ピー・ネットワーク」の芳賀恒人副社長は「実務上は定義を広く捉え、怪しい者と関係を持たないよう助言している」と本紙に説明。「政治家が来るような会合は、写真を撮って宣伝するなど悪用されやすい。来場者がどんな人物か厳しくチェックすべきだ」と語った。

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