水田再生で矢切耕地守ろう!! 松戸 市民参加プロジェクト始動 ネギ農家の唐沢さん 情報誌とタイアップ

2021年12月14日 07時05分

耕作放棄された水田の復活に取り組む唐沢圭輔さん=いずれも松戸市で

 特産のネギの出荷が最盛期を迎えた松戸市の矢切地区。江戸川沿いに広がる約百ヘクタールの農地「矢切耕地」で、耕作放棄された水田を復活させる市民参加のプロジェクトが始まった。中心となるのはネギ農家の唐沢圭輔さん(42)。「田んぼを復活させることが、矢切耕地や矢切ネギを守ることになる」と力を込める。(牧田幸夫)
 農家の高齢化などによる耕作放棄は全国的な問題。市農業委員会によると、矢切地区も二年前は「遊休農地面積」が市全体の約七割を占める七・八ヘクタールあった。昨年は一・四ヘクタールに減ったが、唐沢さんは「荒れた農地は害獣がすみつき、外来種の雑草の種が飛び、周辺の田畑に悪影響を及ぼす」と危惧する。
 プロジェクトは情報誌「ちば食べる通信」編集長の佐藤謙太さん(43)とタイアップして行う。唐沢さんが耕作を新たに依頼された約四百三十平方メートルの荒れた田んぼをよみがえらせ、来春に田植えをして秋に稲刈りをするのが目標だ。

耕作放棄で荒れた田んぼの草刈りをする参加者(10月16日)

 十月に第一弾の草刈りを実施。佐藤さんが会員制交流サイト(SNS)で参加者を募ると、親子連れなど十六人が参加。人の背丈以上に伸びたセイタカアワダチソウなど繁殖力の強い雑草を刈り取った。
 十一月の土づくりには十人が参加した。刈った雑草の上から一面に、約三百キロの米ぬかをまいた。ぬかで微生物の発酵が進み、腐った草が土に返るという。冬の間は唐沢さんが定期的にトラクターで深く耕し、しぶとい根は、霜に当てて枯らすという。
 次回はあぜ道や水路の補修をする予定で、佐藤さんは「農業体験は田植えや単発の収穫が一般的だが、継続して参加することで理解も深まる。何よりも田んぼを復活させ、米が収穫できたら楽しいと思う」。

草を刈った田んぼに米ぬかをまきトラクターで耕した(11月27日)

 唐沢さんが参加者に伝えているのが「田んぼがなくなると矢切耕地は維持できない」ということだ。ネギは暑さに弱い作物で、水稲の蒸散作用のおかげで畑の暑さが緩和されているという。田畑が混在している点も矢切耕地の良い点だ。
 矢切地区では、民間の巨大物流施設の建設計画をきっかけに、四年前から耕作放棄が目立つようになった。
 畑はともかく水田の復活は難しいとの声もあるが、唐沢さんは「田んぼが再生できることを実証したい」と意気込む。そして「今回得られる知見は、耕作放棄した他の田んぼを復活させるときに役立つと思う」と将来を見据える。

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