強制不妊の救済進まず 一時金支給 半年で264人、想定の8%

2019年11月29日 02時00分
 旧優生保護法(一九四八~九六年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題で、今年四月に救済法が成立してから十月末までの半年間で、一時金三百二十万円の支給認定を受けた被害者は計二百六十四人にとどまっていることが二十八日、厚生労働省のまとめで分かった。本年度予算では三千四百人分の支給経費を計上したが、想定の約8%と大きく下回る状況だ。
 国はプライバシーの観点などから被害者への個別通知はしないと決めている。このため、救済制度が始まったことや、自身が被害を受けた事実すら知らない人も多いとみられる。被害者の高齢化が進む中、本人にどのように周知していくかが課題となっている。
 一時金の支給を認められた二百六十四人のうち、手術実施の明確な記録が残っていたのは六十九人。認定審査会の判断で認められたのは百九十五人。一方、手術を受けたことが提出資料などから確認できず、審査会で却下されたのは十四人だった。
 認定された人たちの居住地は三十九都道府県に上り、最多は宮城の四十一人。北海道三十一人、茨城十八人と続いた。岩手、富山、京都など八府県はゼロ人。十一月三日までの申請件数は全国で七百十四人、厚労省や都道府県窓口への相談件数は延べ二千八百一人となった。
 旧優生保護法による強制不妊手術問題を巡っては、一時金を支払うことを柱とする救済法が議員立法で四月に成立、施行された。手術を受けた明確な記録が都道府県などに残っている場合は、審査会を経ずに支給が決まる。
 証拠が無い場合は、医師による手術痕の診断書、本人や家族の供述などを記した請求書などを基に審査会で議論し、「明らかに不合理ではなく、一応確からしいこと」を基準に支給の可否を判断する。

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